【オリジナルSS・狐娘】狐娘「おなか……へったなぁ」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 21:04:23.88 ID:/IrmQ85GO
コッコッコッコッコッ

狐娘「もう、どれくらいお肉たべてないだろう……」

コッコッコッコッコケーッ

狐娘「にわとり、おいしそうだなぁ……」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 21:07:17.69 ID:/IrmQ85GO
コケーッコッコッコッコッ

狐娘「……だめだめ、これは人間さんが育てたにわとりなんだから」

コケッコケッコッコッコッコッ

狐娘「…………」

狐娘「……卵だけでも」

人間「なにしてるんだい」

狐娘「ひゃう!?」ビクッ

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 21:09:11.60 ID:/IrmQ85GO
狐娘「っ…………あ」クラッ

人間「! あぶない!」

…………

……

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 21:11:41.15 ID:/IrmQ85GO
…………

狐娘「…………」

狐娘「……ん」モゾ

狐娘「……………………あ、れ、わたし……」

人間「気が付いた?」

狐娘「……」

狐娘「……!? う、あ……」ヘナ

人間「あっ、無理しないで」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 21:15:05.27 ID:/IrmQ85GO
人間「具合が悪いんだろう? 少し休んだいくといい」

狐娘「…………っ」ビクビク

人間「そんなに怯えなくても」

グー

人間「……」

狐娘「!」

人間「あはは、おなかが減ってたのか」

狐娘「……ぅ」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 21:18:34.43 ID:/IrmQ85GO
人間「今年は寒い夏だったからね、お山も実りが少なかったんだろう?」

狐娘「……」

人間「大したものは出せないけど、何かご馳走させてよ」

狐娘「……」

グー

狐娘「あっ」

人間「あはは、ちょっと待ってて」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 21:20:38.27 ID:/IrmQ85GO
…………

人間「さ、どうぞ」コトッ

狐娘「……」クンクン

人間「うどん、っていうんだけど」

狐娘「……うろん」

人間「うどん」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 21:23:42.25 ID:/IrmQ85GO
人間「ズルズルっ」

狐娘「おぉ……」

人間「まずくはないはずだから。さ、食べてみて」

狐娘「……」カチャ

カランッ

狐娘「…………」

人間「……そっか。いきなり箸は難しかったね」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 21:26:58.43 ID:/IrmQ85GO
人間「じゃあ…………はい、あーん」

狐娘「っ!」ビクッ

人間「ほら、口あけて」

狐娘「…………っ」

狐娘「はむっ!」

人間「おっ」

狐娘「ちゅるん!」

狐娘「あ………………おいしい」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 21:30:52.63 ID:/IrmQ85GO
人間「よかった。冷めないうちにどんどん食べて」

狐娘「…………うん」

人間「はい、あーん」

狐娘「あー……」

…………

……

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 21:33:11.22 ID:/IrmQ85GO
……

人間「気をつけて帰るんだよ」

狐娘「うん……」

狐娘「あの…………」

人間「ん」

狐娘「……」キュッ

狐娘「あり……がと」

人間「……」

人間「どういたしまして」ナデナデ

狐娘「……」ギュ

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 21:35:44.65 ID:/IrmQ85GO
…………

……

人間「ふうぅ、最近一段と寒くなってきたな……」ガラ

人間「ん?」

狐娘「……」ポツン

人間「あれは、昨日の……」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 21:39:41.16 ID:/IrmQ85GO
狐娘「!」ピクッ

タタタタ

人間「こっちに来る……」

タタタ…ピタッ

狐娘「……」

人間「……」

狐娘「……」

人間「……? どうしたの?」

狐娘「……っ」ギュ

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 21:44:29.87 ID:/IrmQ85GO
狐娘「き、きのう……」

人間「うん」

狐娘「…………っ」ギュウ

狐娘「うろん、たべさしてもらった……だからっ…………これっ」サッ

人間「これは、あけび?」

狐娘「んっ!」サッ

人間「うわっ、と」

タタタタ…

人間「お礼、なんだよね」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 21:47:02.61 ID:/IrmQ85GO
……ガラ

人間「あ、今日もいる」

狐娘「!」ピクッ

タタタタ…

人間「おはよう」

狐娘「……っ」

狐娘「お……はよ」

人間「うん、おはよう」ナデナデ

狐娘「……っ」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 21:50:38.87 ID:/IrmQ85GO
人間「そうだ。昨日はあけび、ありがとうね」

狐娘「…………」

狐娘「こ、これ……」スッ

人間「あ、今日も持ってきてくれたんだ」

狐娘「……お、お礼」ギュ

人間「ありがとう。嬉しいよ」ナデナデ

狐娘「…………っ」ギュウ

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 21:55:46.82 ID:/IrmQ85GO
人間「でも、これもらっていいのかい? 食べ物に困ってるんだろう?」

狐娘「だ、だいじょぶ! うさぎとかいっぱいたべてるし」

グー

狐娘「あっ」サッ

人間「あ」

狐娘「……っ」モフッ

人間(あ、尻尾で顔隠した)

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 21:58:35.16 ID:/IrmQ85GO
人間「そうだ、ちょっとあけび貰いすぎな気がするし、僕からもお礼させてよ」

狐娘「……?」

人間「はい、おにぎり」

狐娘「……おじぎり」

人間「おにぎり」

狐娘「……」クンクン

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 22:02:18.52 ID:/IrmQ85GO
狐娘「……」

狐娘「はむ、あむ……」モクモグ

人間「本当は何か具を入れたかったんだけど、何も入ってなくてごめんね」

狐娘「……」プルプル

狐娘「これも、おいしい……」

人間「……そっか。ありがと」ナデナデ

狐娘「ん……」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 22:05:45.92 ID:/IrmQ85GO
………………

ガラ

人間「あれ、いない……」

人間「狐も寝坊とかするのかな?」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 22:07:39.07 ID:/IrmQ85GO
……

ザクッ…ザクッ…ザクッ…

人間「ふー、腰痛ぁ」トントン

人間「狐ちゃん、今日は来ないのかな」

人間「おにぎり、ひとつ余っちゃうな……」

ザクッ…ザクッ…ザクッ…

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 22:10:14.94 ID:/IrmQ85GO
カー…カー…カー…

人間「結局、来なかったな……」

人間「…………猟師に撃たれ、いや、まさか……」

人間「……もうちょっとだけ待とうかな」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 22:13:08.49 ID:/IrmQ85GO
ホー…ホー…

人間「……はぁ」

人間(狐ちゃん、大丈夫かな……)

トン…トン…

人間「ん、はーい」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 22:15:33.36 ID:/IrmQ85GO
ガラ

人間「! 狐ちゃん……」

狐娘「……」

人間「どうしたんだい、こんな夜更けに」

狐娘「……っ」ギュウ

狐娘「ご、ごめ……なさ…………」ポロポロ

人間「え」

狐娘「う、うう……ぐすっ…………」ポロポロ

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 22:19:27.92 ID:/IrmQ85GO
人間「ど、どうしたの? なんで謝るの?」

狐娘「いちにち、い……いっしょけんめいさがしたけど、うう……」ポロポロ

狐娘「も、もう……たべもの…………なくて……」ポロポロ

狐娘「わたし……わたし……お礼……」ポロポロ

人間「狐ちゃん……」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 22:28:36.26 ID:/IrmQ85GO
人間「よしよし、泣かないで」ナデナデ

狐娘「うっ、うう……」グスグス

人間「狐ちゃん、毎日毎日、山の恵みをありがとうね。本当にうれしいよ」

人間「だけど、一番うれしいのは狐ちゃんの気持ちなんだ。食べ物じゃない」

狐娘「きもち……?」

人間「うん。食べ物を持ってきてくれるのもうれしいけど、狐ちゃんが会いに来てくれるだけで、僕は十分幸せなんだ」

狐娘「…………」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 22:31:18.18 ID:/IrmQ85GO
狐娘「そう、なの?」

人間「うん。だから約束。危ない事は絶対にしないこと」

狐娘「……うん」

人間「…………無事でよかった」ギュ

狐娘「わっ」

狐娘「……ごめんなさい」ギュ

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 22:37:03.20 ID:/IrmQ85GO
……

人間「ほら、傷見せて」

狐娘「ん……」

人間「体中傷だらけにして……」

狐娘「ごめんなさ……へくちっ」

人間「身体も冷やしたの?」

狐娘「川、おっこちて……」

人間「この季節に!? ……本当に無事でよかった」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 22:41:51.55 ID:/IrmQ85GO
狐娘「ごめんなさい……」シュン

人間「反省してるならいいよ。僕を想ってくれての事だし」

狐娘「へくちっ」

人間「すっかり冷やしちゃったみたいだね。お風呂入ろうか」

狐娘「?」

人間「準備してくるから、そのまま囲炉裏で暖をとってて」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 22:47:11.98 ID:/IrmQ85GO
…………

……

人間「で、このお湯に浸かってあったまるわけなんだ。わかった?」

狐娘「???」

人間「駄目かー。狐って水浴びとかそういう習慣無いのかな……」

パサッ

狐娘「脱いだ」

人間「!」

狐娘「……違った?」

人間「合ってるけど…………まあ、いいや」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 22:50:44.63 ID:/IrmQ85GO
ザパーッ

狐娘「んんっ」プルプルプル

人間「わぷっ。背中、流すからね」

狐娘「うん」

ゴシゴシゴシ…

人間「痛くない?」

狐娘「ん」

人間「おんなじように腕とか自分でやってごらん」

狐娘「ん」

ゴシゴシゴシ…

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 22:56:44.01 ID:/IrmQ85GO
ゴシゴシゴシ…

人間「……」

人間(どう見ても人間にしか見えないけど、本当に尻尾が生えてるんだなぁ……)

人間「狐ちゃん、尻尾も洗って方いいかな?」

狐娘「!」

ガタッ

バタバタ

狐娘「だ、だめ! しっぽはだめ!」モフッ

人間「な、なんで?」

狐娘「し、しっぽは……はずかしい…………っ」モフゥ

人間(裸は恥ずかしくないのに尻尾を触られるのは恥ずかしい……のかな)

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 23:03:11.25 ID:/IrmQ85GO
人間「そ、そっか。ごめんね、変な事言って」

狐娘「……」モフモフッ

人間「じゃあ尻尾は自分で洗ってね。洗い終わったらまた身体を流して、お湯に浸かってあったまること」

狐娘「……わかった」モフッ

人間「じゃあ、ごゆっくり」

ガラ…

人間「文化の違い、かなぁ」

82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 23:05:52.07 ID:/IrmQ85GO
ザパーッ

狐娘「んっ」プルプルプルプル

狐娘「つぎは、このお湯につかって」

狐娘「うう……」チャプ

狐娘「ひゃうっ!?」ビクッ

狐娘「うう……」チャプ

狐娘「ひゃうっ!?」ビクッ

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 23:08:17.13 ID:/IrmQ85GO
狐娘「う……くぅ……」チャプ…

チャポ…

狐娘「ふうぅ……」プルプル

ザプ…

狐娘「はっ…………あぁ……ふぅ」チャプ

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 23:11:05.03 ID:/IrmQ85GO
狐娘(……あったかい)

狐娘(まるで、かかさまにぎゅってしてもらってるみたい……)

狐娘(こんなに、あったかい場所がこの世にあるなんて……)

狐娘(夢……みたい…………)

プクプクプク…

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 23:15:22.14 ID:/IrmQ85GO
狐娘「ん……」

人間「気が付いた?」パタパタ

狐娘「…………」

人間「湯あたりしてお風呂に沈みそうになってたんだよ。危なく溺死するところだったんだから」パタパタ

狐娘「…………」

狐娘「……かかさまに」

人間「ん?」パタパタ

狐娘「かかさまに、会った気がする」

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 23:20:22.65 ID:/IrmQ85GO
人間(会った気がする、っていうのは……)

狐娘「おふろ、きもちよかった。またいつか入りたい」

人間「それぐらいいつでも貸してあげるよ。その代わり、たまに水汲み手伝ってね」

狐娘「ん」

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 23:27:57.53 ID:/IrmQ85GO
人間「さて、今日はもう遅いから泊まっていきな。布団、そのまま使っていいから」

狐娘「……人間さんは?」

人間「僕は囲炉裏にあたりながら床で寝るよ。狐ちゃんはそのままおやすみ」

狐娘「人間さん、冷えちゃう」

人間「なに、一晩くらい大丈夫さ」

狐娘「だめ」

人間「……狐ちゃん?」

狐娘「人間さんが病気なったら……かなしい…………だから」

人間「うん、僕が悪かったよ。ごめんね」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 23:31:17.96 ID:/IrmQ85GO
人間「灯り、落とすね」

狐娘「ん」

フッ

…モゾ

人間「じゃ、おやすみ」

狐娘「おやすみ……なさい」

狐娘(人間さんのにおいがする……)

狐娘(……あったかい)

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 23:37:27.11 ID:/IrmQ85GO
チュン…チュンチュン…

コッケコーッ

人間「ん……」

モフッ

人間「ん? これは……」モフモフ

狐娘「すぅ、すぅ」モフモフ

人間「! 狐ちゃんの尻尾か!」モフモフ

狐娘「すぅ、すぅ」モフモフ

人間「と、とにかくこの尻尾から脱出を……」モフモフ

狐娘「んぅ……」ギュ

人間「で、出れない」モフッ

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 23:40:45.69 ID:/IrmQ85GO
狐娘「ん……」モゾ

狐娘「くあ……ぁ」ノビ

人間「おはよう」

狐娘「……人間、さん?」

狐娘「あ、きのう泊めてもらって……」

人間「うん」

狐娘「……おはようございます」ペコ

人間「うん、おはよう」

111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 23:42:33.30 ID:/IrmQ85GO
人間「もうちょっとで朝御飯できるから待ってて」

狐娘「うん」

狐娘「……」クンクン

狐娘(人間さんのにおいだ)

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 23:52:02.95 ID:/IrmQ85GO
人間「はい、豪勢ではないけど」コト

狐娘「……」クンクン

人間「里芋の味噌汁に味噌漬け野菜、小さいけど焼き鱒、それと」コンコン

パカッ

狐娘「おぉ……」

人間「たまごかけごはん。かき混ぜて醤油をかけて食べよう」

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/10(火) 23:58:31.00 ID:/IrmQ85GO
人間「いただきます」

狐娘「いただき……ます」カチャ

ブスッ

人間「あ、そうだった。箸、教えないとだったね。狐ちゃん?」

狐娘「あー……ん?」パク

人間「箸はね、そうやって刺して使うものじゃなくてね、こう挟めるよう動かすものなんだ」カチャカチャ

狐娘「む?」

人間「持ち方はね……」ピト

狐娘(……あ)

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 00:04:05.67 ID:HUAxs76oO
……

人間「ごちそうさま」

狐娘「ごちそうさま……」

人間「箸、ちょっとずつ練習しようね」

狐娘「……うん」

人間「さて、働きに行きますかね」

狐娘「あの……」

人間「ん」

狐娘「なにか……てつだう。てつだいたい」

人間「……」

人間「ありがとう。じゃ、お願いしようかな」ナデナデ

狐娘「……ん」

124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 00:09:16.29 ID:HUAxs76oO
人間「その前に、おにぎり握っていこうね」

狐娘「おじぎり」

人間「手に水をつけて、ご飯をこれぐらい取って、塩をつけながら……こう」ギュギュ

狐娘「ん」ガッ

人間「おっと、そんなにいっぱい取って大丈夫?」

狐娘「これ、人間さんの」ギュギュ

人間「おっと」

狐娘「いっぱいたべて」

人間「いやぁ、まいったな」

130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 00:23:46.64 ID:HUAxs76oO
………………

…………

……

狐娘「人間さーん」タタタ

人間「はいよー」ズボ

狐娘「じゃがいものしゅうかく、おわりました」

人間「ご苦労様。こっちも蕪の収穫終わりそうだよ」ズボ

狐娘「じゃあわたし、土落としておきますね」

人間「うん、お願い」

135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 00:35:10.14 ID:HUAxs76oO
人間「いやぁ、今年は狐ちゃんのおかげで大助かりだったよ。本当にありがとうね」

狐娘「ううん、ごはんを分けてもらってるし、おふろも借りてるし、これぐらい……」

人間「いやいや、いつも粗末なご飯とぼろい風呂を提供してるだけでこんなに助けてもらって、感謝しきれないよ」

狐娘「そんな、そまつなんて。人間さんのごはん、わたしあったかくて好きです」

人間「そ、そう?」

狐娘「…………はい」ギュ

139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 00:43:51.34 ID:HUAxs76oO
人間「……そう言ってもらえると、料理のし甲斐があるなぁ。ずっと一人で暮らしてたからさ、なんだか家族が増えたみたいで、嬉しいんだ」

狐娘「家族……」ギュ

人間「……」

人間「……狐ちゃん」

狐娘「……なんでしょう」

人間「出会って三ヶ月程度の人間が聞いていいことか、わからないんだけど…………さ」

狐娘「……」

人間「狐ちゃんの家族は、今どうしているんだい」

141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 00:53:00.53 ID:HUAxs76oO
狐娘「……」

人間「はじめて会った時もだけど、狐ちゃん、常に食料に困ってたし……」

人間「それに、毎日会いに来てくれるのは本当に嬉しいけど、狐ちゃんにも僕以外の……家族や仲間が」

狐娘「妖狐族は滅びました」

人間「……」

149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 00:59:24.77 ID:HUAxs76oO
人間「滅ん……だ」

狐娘「はい」

人間「それって、僕達人間が何かして……」

狐娘「……」フルフル

狐娘「だれが悪い、とかじゃないんです。ただ、お山がちょっとずつわたしたちにとって住みづらくなっていっただけなんです」

狐娘「ととさまは一年前にたおれ、かかさまも半年前にたおれ、みんな……みんな弱るようになくなっていきました」

153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 01:14:12.64 ID:HUAxs76oO
狐娘「狐の里はすたれ、弱いわたしひとりではうさぎ一羽まんぞくにつかまえられず……」

人間「そんな事が……」

狐娘「……ごめんなさい」

人間「……どうして、謝るの?」

狐娘「わたし、人間さんのやさしさにあまえて、あわよくばこの家で冬越ししようと思ってました」

狐娘「ううん、今だってそう。仲間の、家族のさいごの話をしていても、こころのどこかにそういう期待をもっていました」

154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 01:19:23.24 ID:HUAxs76oO
人間「……」

狐娘「……」

人間「でも……」

人間「でも、それだけじゃないから、全部話してくれたんでしょ」

狐娘「…………」

ギュ

狐娘「あ……」

人間「怖かったね。辛かったね。でも、もう大丈夫。ひとりじゃない」ギュ

狐娘「う…………っ」グス

人間「大丈夫、大丈夫」ナデナデ

155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 01:21:44.95 ID:HUAxs76oO
…………

人間「あらためて、今日からここが君の家だ」

狐娘「は、はい」

人間「おかえり」

狐娘「あ……」

狐娘「…………た、ただいま」

158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 01:30:55.79 ID:HUAxs76oO
……………………

…………

ビュォォッ

ガタッガタガタッ

人間「すごい風だなぁ」

狐娘「外は猛吹雪ですね」

人間「これだけ風が強いと、この小屋が飛ばされないか心配になるな」

狐娘「家がなくなるのはこまります」

人間「ああ、早く収まって欲しいな」

160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 01:33:54.12 ID:HUAxs76oO
ビュォォ ビュゥゥッ

人間「うう……寒いな」サスサス

狐娘「!」

狐娘「あ、あの……」スス…

人間「ん?」

狐娘「よ、よかったら……その…………」モジモジ

狐娘「つ、使って下さい……っ」モフッ

162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 01:38:59.99 ID:HUAxs76oO
人間「し、尻尾を?」

狐娘「……」コク

人間「いいの……?」

狐娘「……」コク

人間「触られるの、恥ずかしいんじゃ……」

狐娘「…………っ」ギュウッ

狐娘「人間さんになら……その…………いい、かな……って」カアァ

216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 07:44:56.27 ID:HUAxs76oO
人間「……」

狐娘「……ぅ」ピクッ

人間「じゃ、じゃあ……いいかな?」

狐娘「あ…………はい」

……モフ

狐娘「ん……」ピクッ

人間「わ……あったかぁ」モフモフ

狐娘「……っ」ピクッピクッ

219: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 07:47:58.60 ID:HUAxs76oO
人間「狐ちゃん、とってもあったかいよ」モフモフ

狐娘「ほんとですか?」

人間「うん」モフモフ

狐娘「よかったぁ」ニコ

人間「狐ちゃんは寒くない?」

狐娘「わたしは……」

狐娘「ちょっとだけさむいです」

人間「じゃ、こっちおいで」

222: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 07:53:58.47 ID:HUAxs76oO
モフモフ…モフモフ…

人間「あったかい?」ギュ

狐娘「あったかいです。ひとりでもふもふするよりずっとあったかいです」モフモフ

人間「うん、よかった」ギュ

狐娘「……ん」ギュ

狐娘「ほんとは、結婚するまでしっぽさわらせちゃいけなかったんです」

人間「そうなの?」

狐娘「はい。母狐と、子狐と、その……だんなさまだけの、とくべつなんです」

226: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 07:56:51.21 ID:HUAxs76oO
狐娘「でも、人間さんはわたしを家族って言ってくれたし…………だから」

狐娘「うう……っ」モフッ

人間「……」

人間「ありがとう」ナデナデ

狐娘「……」ピクッ

人間「僕は狐ちゃんの家族だよ。約束する、ずっと一緒だ」ナデナデ

狐娘「…………人間さん」モフゥッ

227: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 08:00:37.35 ID:HUAxs76oO
狐娘「あ、あの……」

人間「なに?」ナデナデ

狐娘「わ、わたしも……ぎゅってしていいですか?」

狐娘「うう……」モフッ

人間「いいよ」

狐娘「ま、まいにちして、いいですか……?」

人間「いいよ。全然いいよ」

狐娘「……っ」モフモフッ

人間「……」

人間「はい、これでいい?」ギュ

狐娘「っっ」モフモフモフモフッ

228: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 08:02:02.76 ID:HUAxs76oO
人間「ほら、狐ちゃんも」

狐娘「…………ぅ」

狐娘「で、では……」

ギュ

人間「あったかいね」

狐娘「は、はい」

狐娘「……えへへ」ギュ

229: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 08:05:30.08 ID:HUAxs76oO
これから仕事行かなくちゃいけないのでここで区切らせて下さい
本当にごめんなさい
保守ありがとうございました
お付き合いいただきありがとうございました

309: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 18:44:29.10 ID:HUAxs76oO
ビュゥゥ…

カタ…ガタガタ…

狐娘「……」

人間「……」

狐娘「風の音……」

人間「ん」

狐娘「なんだか、遠くなった気がする」

人間「……ん」

狐娘「……」ギュ

310: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 18:47:16.87 ID:HUAxs76oO
狐娘「……」ピコ

人間「狐ちゃんの耳、ぴょこぴょこ動いてる」

狐娘「ん」ピコ

人間「何か聞こえる?」

狐娘「……ん」

狐娘「人間さんのしんぞうの音……」ギュ

狐娘「やさしい音……」

人間「……」ギュ

312: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 18:52:37.83 ID:HUAxs76oO
…………

パチ… パチ…

人間「ふーっ! ふーっ!」

人間「こんなもんかな?」

「人間さーん! そろそろいいお湯かげんですよー!」

人間「はいよー」

人間「ううっ、さむさむ」ザッザッ

314: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 18:57:28.68 ID:HUAxs76oO
ザパー…

人間「ふいー、生き返る」

狐娘「さいきん風の強い日がつづいてましたからね。ひさしぶりのお風呂、うれしいです」

人間「そうだねぇ」

ピチョ

狐娘「ひゃっ!?」ピクッ

人間「雫の冷たさも贅沢な感じがするね」

狐娘「つめたかったのはわたしなんですけど。ふふ」

315: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 19:01:42.92 ID:HUAxs76oO
……

狐娘「ふう……」チャプ…

人間「狐ちゃんと一緒にお風呂入るのも、すっかり習慣になったね」

狐娘「人間さん達はばらばらに入るんですよね。いっしょの方がうれしいのに」

人間「嬉しい?」

狐娘「人間さんと、もっとなかよくなった気がしてうれしいです」

人間「……そっか」

318: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 19:04:22.97 ID:HUAxs76oO
狐娘「背中、ながしっこしましょうね」

人間「うん」

狐娘「あたま、わしゃわしゃーってして下さいね」

人間「うん、いいよ」

狐娘「……えへへ」ピト

人間「狐ちゃん」

狐娘「? なんです?」

人間「お風呂の時の狐ちゃんは、いつもより甘えん坊だよね」

狐娘「なっ!?」ビクッ

320: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 19:05:30.26 ID:HUAxs76oO
狐娘「そ、そんなこと」

狐娘「あるかも、です……」

人間「あるね」

狐娘「……」プクプクプク

325: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 19:10:06.13 ID:HUAxs76oO
…………

狐娘「にわとりさん、ごはんだよー」キィ

コケーッコケッコケッコケーッ

バサバサバサバサバサッ

狐娘「お、おちついて! たべないから!」

コケッコケーッ バサバサバサバサバサッ

狐娘「わわっ、出ちゃだめだよ! ああっ!? 待ってー!」

人間「狐ちゃん! うしろうしろ!」

狐娘「え……あ!? みんな逃げてる!?」

327: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 19:13:28.34 ID:HUAxs76oO
…………

人間「こいつで最後だ……」パタン

狐娘「うう……ごめんなひゃい…………」ヘナ

人間「いいよ。誰にでも失敗はあるんだから」ナデナデ

狐娘「人間さん……」

人間「明日、またがんばろう」

狐娘「……うん」ギュウ

人間「よしよし」ナデナデ

330: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 19:21:51.02 ID:HUAxs76oO
………………

人間「……あむ」

狐娘「……っ」ピクッ

人間「……」モグモグ

狐娘「どう、でしょう」

人間「……ん、おいしい」

狐娘「! ほんとう!?」パァァ

人間「うん、僕のよりは確実においしいよ」

狐娘「は…………ぁぁ」ヘタ

人間「狐ちゃん?」

狐娘「あはは……安心したらちからが抜けちゃいました」

334: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 19:28:29.15 ID:HUAxs76oO
人間「いや、本音を言えば、短期間でこんなに上手くなるとは思わなかったよ」

狐娘「わたし、にわとりのお世話で失敗してばかりだから、せめてお料理でばんかいしたいなって……」

人間「鶏はまあ、ちょっと仕方ない部分があるけど……でも、他はすごく頑張ってくれてるし、ほんと大助かりだよ」

狐娘「そ、そう?」ピコピコ

人間「……」

狐娘「……」ピコピコ

人間「よしよし」ナデナデ

狐娘「……ぁ」ピコピコ

337: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 19:31:16.10 ID:HUAxs76oO
人間「……」ナデナデ

狐娘「えへ……えへへ……」ピコピコ

人間「……さて」スッ

狐娘「あ……」シュン

人間「……」

人間「じゃ、今日の勉強しちゃおうか」

狐娘「! はい! がんばります!」ピン

341: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 19:36:31.36 ID:HUAxs76oO
……………………

…………

人間「すぅ……すぅ……」

狐娘「……ん」モフ

狐娘「ふ……ぁぁ」

狐娘「…………あ、春のにおい」

342: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 19:44:52.12 ID:HUAxs76oO
……

人間「今日から春?」

狐娘「はい、春です。春のにおいがします」

人間「そっかぁ、ようやく冬も終わるんだね……」

狐娘「やさい、いっぱい作りましょうね」

人間「そうだねぇ。それにはまず、麓に下りて種を買わないと」

狐娘「人間さんの里?」

人間「いっしょに行く?」

狐娘「…………」

人間「ん、無理しないで。すぐ帰ってくるから留守番しててね」

345: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 19:50:59.24 ID:HUAxs76oO
狐娘「……すぐ?」

人間「うん、すぐ」

狐娘「……どれくらいです?」

人間「うーん……半日、はかかるかな」

狐娘「はんにち!?」ガーン

人間「……狐ちゃ、うわっ!?」

狐娘「すぐって! すぐって約束したじゃないですか!」モフモフモフモフッ

人間「わっぷ!? 狐……しっぽがっ」モフモフモフモフッ

350: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 19:54:25.66 ID:HUAxs76oO
……………………

…………

人間「じゃ、行ってくるよ」

狐娘「気をつけて……下さいね」

人間「……」

狐娘「うきゅっ」ワシャ

人間「走って帰ってくるから、ちょっとだけ待っててね」ワシャワシャ

狐娘「……うん。待ってる」ピコピコ

353: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 20:00:40.32 ID:HUAxs76oO
……

人間「結構浮いたなぁ。狐ちゃんのおかげで沢山作付けできたからだな」

人間「何かお礼でも……お礼かぁ。なんかずっと昔の事みたいだ」

「もし、そこのお方」

人間「ん? 僕ですか?」

「そうです、貴方です。突然申し訳ない」

人間「いえ。あの、僕に何か?」

356: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 20:06:31.25 ID:HUAxs76oO
「こういう事を言ってもなかなか信じてもらえないのですが、よろしければ話半分にでも聞いて下さい」

人間「はあ」

「私、都で陰陽師をやっている者で、この方々の龍脈の異変を調べに此方に来ております」

人間「陰陽師、ですか?」

「はい。まあ、占い師や僧侶みたいなものと思って下さい」

361: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 20:12:14.00 ID:HUAxs76oO
「私の経緯はさて置き……単刀直入に申します。貴方、狐に憑かれてます」

人間「!!」

「その顔、心当たりがお有りですか」

人間「……」

人間「いいえ。家族が増えたことぐらいしか変わった事はありません」

366: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 20:18:55.41 ID:HUAxs76oO
「家族、と」

人間「はい」

人間「素直で恥ずかしがり屋で、頑張り屋で、甘えん坊で……可愛らしい僕の大事な家族です」

「…………」

「それは良い。是非、大事になさるといい」

人間「良い、ですか?」

「貴方は余程、御狐様に馴憑かれていると見える。その縁を大事になされば、御加護もあろう」

369: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 20:24:04.10 ID:HUAxs76oO
「絆は金糸が如く強く結ばれ、決して切れる事無し」

人間「……」

「まあ、自称陰陽師の事と話半分に聞いて下され」

人間「いえ……」

「龍脈の乱れは収まりつつある。いずれお山にも活気が戻りましょう。それでは」ペコ

ザッザッ…

人間「……」ペコ

373: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 20:30:43.33 ID:HUAxs76oO
…………

人間「ただいま」ガラ

狐娘「!」タタタ

人間「ごめん、遅く……わっ!?」

狐娘「……っ」ギュ

人間「狐、ちゃん……」

狐娘「…………」ギュゥゥ

人間「ただいま」ナデナデ

377: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 20:34:16.13 ID:HUAxs76oO
人間「待たせてごめんね」ナデナデ

狐娘「……ん」ギュゥ

人間「……」ナデナデ

人間「…………?」

人間「……狐ちゃん、その尻尾……」

狐娘「? しっぽ?」

狐娘「! 増えてる!」

384: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 20:41:21.41 ID:HUAxs76oO
人間「尻尾が二本に……」

狐娘「……」

人間「……狐ちゃん?」

狐娘「そっか、春が来たんだ」

狐娘「春が来たから、わたし、今日からおとなになりました!」

人間「大人……」

狐娘「かかさまが言ってました。わたしたち妖狐族はしっぽが二本になったら一人前だって」

390: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 20:47:24.30 ID:HUAxs76oO
人間「じゃあ、今日はお祝いしないとね」

狐娘「そんな…………うれしいです」モフ…

人間「里で油揚げも買ってきたし」

狐娘「あぶらーげ? それごちそうなんです?」

人間「多分ね。なにせ、きつねうどんの主役なんだから」

393: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 20:51:37.14 ID:HUAxs76oO
……

狐娘「~~~っ!! おいひいれふ~!」ピコピコ

人間「狐ちゃん、さっきからそればっかり」

狐娘「らって、これ、おいひいんれふもん」モクモク

人間「あはは、全然うどん食べてないね」

狐娘「はぁぁ…………ひあわへ」ピコピコ

396: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 20:56:54.09 ID:HUAxs76oO
……

狐娘「はぁぁ……」ピコピコ

人間「まだ夢見心地だね」

狐娘「……しあわせ」

人間「はいはい」クス

狐娘「人間さん」

人間「なに?」

狐娘「だいすきです」

401: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/12/11(水) 21:03:42.93 ID:HUAxs76oO
………………

ポツ…ポツ…

サァァ…

狐娘「雨、ですね」

人間「晴れてるのにね」

狐娘「……」

人間「……」

狐娘(晴れ空から降る雨をいっしょに浴びた男女は、末永くしあわせになれる…………狐の言い伝え)

狐娘(どうか、人間さんとのしあわせな時間がずっと、ずっと続きますように)

http://viper.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1386677063/

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