1: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/20(月) 02:36:07.01 ID:hg+YSfu5o
幼「いや、こんな場所まで人が来るなんて珍しいと思ってね」
男「まぁ……この時期の屋上はまだ寒いしな」
幼「そうかい?」
男「お前は寒くないのか」
幼「そりゃ、寒いよ」
男「なら……む?」
幼「ほら、こうすれば寒くない」
2: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/20(月) 02:41:46.22 ID:hg+YSfu5o
男「教室に戻ればいいんじゃないか?」
幼「んー、寒いからやだな」
男「訳が分からなくなってきた」
幼「いいよ別に、訳分かってもらおうと思ってないから」
男「そうか」
キーンコーン カーンコーン
男「あ、チャイム……あら?」
幼「じゃあね、ボク先に教室行ってるから」
男「……」
男「……寒い」
3: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/20(月) 02:46:17.00 ID:hg+YSfu5o
男「今日も放課後まで読書か?」
幼「そういうキミも?」
男「んや、俺は別に」
幼「ならなぜ図書館にいるのかな」
男「お前がいるから」
幼「……そ」
男「そ」
4: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/20(月) 02:51:40.93 ID:hg+YSfu5o
幼「この本なんて、キミにオススメだけどな」
男「うへぇ、見るからに厚い本だ」
幼「たまにはボクを眺めるのをやめて、読書でもしたらどうだい」
男「んー……考えておく、と答えておこう」
男「そういうお前が読んでるのは……あ」
幼「さて、そろそろ帰ろうか」
男「……そうだな」
6: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/20(月) 02:56:31.02 ID:hg+YSfu5o
幼「それじゃ、この辺で」
男「おう、それじゃ」
男「また明日なー」
幼「……ん」
幼「また、明日」
7: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/20(月) 03:03:55.53 ID:hg+YSfu5o
男「おはよう」
幼「ん、おはよう」
幼「……髪型、変えたのかい?」
男「いや、特には」
幼「それならこれは寝癖なわけか」
幼「おっと、動かなくていい」
男「すまんね」
幼「お安いご用さ」
8: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/20(月) 03:10:25.42 ID:hg+YSfu5o
男「あ、やばい」
幼「どうしたのさ」
男「次の時間の課題、やってねぇ」
幼「まったくキミは……それで何回目だい?」
男「さて何回目だったかなぁ」
幼「見せないよ、今日は」
男「え」
幼「たまには怒られてみるのも悪くないんじゃないかな」
男「殺生なー」
幼「……ボクにメリットがあれば考えなくもないかな」
男「たとえば?」
幼「そうだなぁ」
9: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/20(月) 03:12:25.47 ID:hg+YSfu5o
男「これがメリットでいいのか?」
幼「心外だな、ボクにとっては重要なことなんだぞ」
男「一緒に本屋に行くなら、いつでも来てやるのに」
幼「……次、これ持って」
男「ほいほい」
幼「満足満足」
男「これ、お前の家まで運べばいいんだよな?」
幼「うん、よろしく」
10: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/20(月) 03:17:25.70 ID:hg+YSfu5o
幼「ただいま」
男「お邪魔しまーす」
男「あ、いえ。お構いなく」
幼「ほら、早くボクの部屋に」
男「よい、しょっと……」
幼「わざわざここまでありがとう。感謝するよ」
男「いや、俺の方こそな」
幼「……」
男「……それじゃ、俺はこの辺で」
幼「……ん」
幼(……上手くいった、かな?)
男(あの恋愛小説、今流行りのやつだったけな?)
16: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/20(月) 17:50:34.91 ID:hg+YSfu5o
キョンと佐々木じゃね?とか言われると懐かしくて涙が
幼「やぁ、おはよう」
男「あぁ、おはよう……って」
幼「ん、どうした?」
男「お前……」
男「寝癖か?それ」
幼「……」
幼「……指摘感謝するよ」
男「それほどでもない」
17: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/20(月) 17:56:28.89 ID:hg+YSfu5o
幼「……あ」
男「どうした?」
幼「弁当、忘れた」
男「珍しいな、お前が忘れ物なんて」
幼「……朝に少し時間がかかることをしていたものでね」
男「お前、食堂使ったことあるんだっけ?」
幼「一度もないね。弁当持参なわけだし」
男「今ならまだ、そう混んでないと思うが」
幼「そういうキミは、弁当じゃないのかい?」
男「うちは両親早いからな。自分で作るガラに見えるか?」
幼「……余計な質問だったね。それじゃ、案内頼むよ」
18: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/20(月) 18:02:33.49 ID:hg+YSfu5o
幼「……で、この状況はなんだい?」
男「いつもはこの時間は空いてるんだがな」
幼「もう少し詰めてくれないかな?」
男「お、おう」
幼「まぁ、このカレーは悪くないね」
男「おい」
幼「ん?」
男「頬についてるぞ、ルーが」
幼「おっとと……」
男「こら、袖で拭く奴があるかよ。ほら、使え」
幼「物持ちがいいね。ありがたく使わせてもらうよ」
19: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/20(月) 18:11:35.20 ID:hg+YSfu5o
男「どうだった?食堂」
幼「狭かったね」
男「そこは抜きにしてくれよ」
幼「いつもあんなに周りと密着してるのかい?」
男「いや、今日のは間が悪かっただけだ」
幼「ふーん」
男「あー、食ったら眠くなってきた」
幼「屋上、行く?」
男「お前は行くのか?」
幼「うん」
男「なら行こうかねぇ」
20: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/20(月) 18:13:43.67 ID:hg+YSfu5o
男「その恰好で寒くないのか?」
幼「寒いよ」
幼「でも、この場所じゃなきゃダメなんだ」
男「せめて上着ぐらい羽織ればいいのに、ほら」
幼「そうするとキミが寒いだろ」
男「ならこうすりゃいいさ」
幼「……うん、温かい」
25: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/21(火) 02:53:46.07 ID:EPmVPjqIo
男「帰らないのか?」
幼「キミこそ」
男「俺は別に何時になってもいいしな」
幼「……そうだね、帰ろうか」
男「おう」
26: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/21(火) 02:56:03.98 ID:EPmVPjqIo
男「そういや、食堂での話だけど」
幼「ん?」
男「物持ちの意味ってあれで合ってたか?」
幼「そうだったっけ」
男「確か物持がよいってのは……」
幼「いや、いい。自分で調べるから」
男「ん、そうか」
27: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/21(火) 03:03:34.71 ID:EPmVPjqIo
幼「それじゃ、また明日」
男「おう、それじゃあな」
幼「……あ、ちょっと待って」
男「ん」
幼「はい、これ」
男「これは……お前が前に読んでた奴か」
幼「昨日ちょうど読み終わったんだ」
幼「キミにも是非読んで欲しくてね」
男「……まぁ、せっかくだし受け取っておく」
幼「うむ」
28: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/21(火) 03:11:28.58 ID:EPmVPjqIo
男「……おはよう」
幼「おはよう、今日は随分と遅い登校だことで」
男「……昨日、借りた本な」
幼「あぁ、あれか」
男「……ほい」
幼「……お気に召さなかったかな?」
男「いや、もう読み終わったから忘れないうちに反しておこうと思ってな」
幼「……あれを一晩で?」
男「おかげでこのありさまだ」
幼「……ボクのお気に入りが気に入って貰えてうれしいよ」」
男「ふわーぁ……何か言ったか?」
幼「なに、大したことじゃないさ。気にしないでくれ」
33: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/22(水) 00:05:19.03 ID:o4YUjOdko
男「よっ、ほっ」
「男を止めろーっ!」
男「よっと」
「クソッ、また抜かれた……」
幼「……」
男「お前も座ってないで、体を動かしてみてはいかがだろうか?」
幼「わざわざここまで来て言う事?」
男「少し休憩も兼ねている」
幼「……あまり得意じゃないからいいよ」
男「やってみると楽しいぞ?」
幼「上手に出来れば、そりゃ楽しいだろうね」
男「俺はお前とやりたいんだよ」
幼「……バカ正直に、子供かキミは」
男「お前も子供だ」
幼「……少しだけだよ」
34: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/22(水) 00:21:51.56 ID:o4YUjOdko
幼「……ふぅ、疲れた」
男「あまり得意じゃないとか言ってた割には、いい動きしてたじゃないか」
幼「ただキミの動きを追ってただけだよ」
男「……」
幼「何をじっとこっちを見てるんだい?」
男「へ?あ、いや……」
幼「……あぁ」
幼「少し無頓着だったね、これはボクの方が悪い」
男「出来ればそのままもうしばらく……いてっ」
幼「ボクだって、羞恥心が無いわけじゃないんだ」
幼「少しぐらい目を逸らすデリカシーぐらい持ちたまえ」
男「……申し訳ない」
35: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/22(水) 00:26:48.81 ID:o4YUjOdko
幼「……むぅ」
男「珍しいな、お前が放課後に本を読まないなんて」
幼「ちょっと体が怠くてね……」
男「無理に付きあわせてたか?」
幼「いや、キミが悪いわけじゃない。あくまでも自分の意思で参加したんだから……ね」
幼「……くぁ」
男「おや、これまた珍しい」
幼「……ていっ」
男「いてっ」
幼「……帰る」
男「あ、ちょっと待てよ」
36: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/22(水) 00:31:29.31 ID:o4YUjOdko
幼「……」
男「まだ怒ってるのか?」
幼「別に」
男「その反応じゃ説得力ってもんがな」
幼「なんで自分でもこんな反応してるんだか、よく分かんないんだよ」
男「……」
幼「……じゃあね」
男「ん、また明日」
37: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/22(水) 00:34:54.49 ID:o4YUjOdko
幼「キミが何してるか、気になる」
男「あいつ、今何考えてるんだろう?」
幼「……偏屈物で、可愛くない」
男「……会話が面白いとは言い難いな」
幼「どうやったら、キミの心を」
男「どうやったら、あいつの気持ちを」
幼「……寝よう」
男「……考えても仕方ない、か」
38: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/22(水) 00:54:48.78 ID:o4YUjOdko
毎度短い
ここまで
42: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/22(水) 23:19:04.01 ID:o4YUjOdko
男「……あれ」
男「あいつ、来ないな……」
男「……まぁ、こんな日もあるか」
男「……」
男(流石にそろそろ行かないと遅刻するな……)
43: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/22(水) 23:25:50.93 ID:o4YUjOdko
男「……」
男(結局あいつ、来てなかったな)
男「……帰りに寄るか」
幼「……それでわざわざ来てくれたのか」
男「おう」
幼「……けほ、けほ」
男「風邪か?」
幼「そうみたいだね……」
男「そうみたいだねって、自覚ないのか?」
幼「キミが……二人に見える以外は無い……かな?」
男「また無理させちまってるかな」
幼「だから、ボクはキミに無理に付き合ったことはないし……」
幼「……今は独りにしないでほしい」
男「……そうか、ならいる」
幼「感謝するよ」
44: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/22(水) 23:31:09.77 ID:o4YUjOdko
男「飯は食ったのか?」
幼「そういえば、朝から何も……けほっ」
男「両親はどうしたんだ」
幼「……仕事だよ、仕事」
男「……そっか」
男「なら、俺が作ってやろう」
幼「……料理出来たのか、キミ」
男「それは出来てからのお楽しみだな」
幼「……けほっ」
幼「……それは期待しておこう」
45: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/22(水) 23:44:59.58 ID:o4YUjOdko
男「冷蔵庫の物と台所、勝手に使ったけど大丈夫だったか?」
幼「今はボクとキミしか家にいないんだ、誰も文句なんて言いやしないさ」
男「まぁ、そうだが……」
幼「それより、キミが予想より料理が出来る事に驚いているよボクは」
男「心外だな」
幼「だってキミ、弁当持ってきてないじゃないか」
男「料理が出来るのと、料理することが好きなのはまた別の話だ」
幼「おいしいよ、これ」
男「お褒めいただき光栄です」
幼「はふはふ……」
男「……おい」
幼「ん?」
男「お前、物食べる時ほんとアクティブな」
幼「それはどういう……っと」
男「ほれ、ご飯粒」
幼「……もぐもぐ」
男「もぐもぐで誤魔化さない」
46: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/22(水) 23:48:55.16 ID:o4YUjOdko
幼「……ふぅ」
幼「キミが来てくれて、本当に助かったよ」
男「そりゃどうも」
幼「本音を言うと……このまま消えてしまうんじゃないかなんて、思ってしまうほどだったんだ」
男「風邪だけで大げさな」
幼「……」
男「……」
幼「……泊まっていかないかい?」
男「へ?」
幼「……」
男「えーと……あー、うん」
男「ちょっと待っててくれ」
幼「あ、うん」
47: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/22(水) 23:51:46.60 ID:o4YUjOdko
男「あぁ、ちょっと友達の家に……」
男「だから晩御飯は……うん、ごめん」
男「一応、許可は貰ってきた」
幼「……ありがとう」
男「でも、いいのか?御両親とか……ん」
幼「……ふぅ……ふぅ……」
男「……台所、また借りるか」
48: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/22(水) 23:57:23.84 ID:o4YUjOdko
幼「……ん」
男「……ぐー……ぐー……」
幼「……おしぼり……」
幼「……キミが来てくれて、本当によかった……」
幼「……ふふ」
幼「……」
幼「……これは、熱のせいだきっと」
幼「……だから、許してくれたまえ」
幼「……ん」
49: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/23(木) 00:02:57.02 ID:3YA/m/D9o
男「……あれ、俺寝てたのか」
男(毛布なんて被ってたっけな?)
幼「やぁ、おはよう」
男「ん、おはよう」
男「なんか妙な気分だ」
幼「奇遇だね、ボクもだよ」
幼「まぁ、これでも食べて落ち着きたまえよ」
男「ん、せんきゅー」
男「……お前、意外と濃い味好きなのな」
幼「んー?はむはむ……」
男「いや、なんでもない。朝しっかり食べるのも悪くないなって思っただけだ」
幼「まぁ、ボクの腕はキミに比べると見劣りするかもしれないがね」
男「俺は料理は誰と食うかだと思ってるから、気にならん」
幼「……」
男「あ、もちろんマズイわけじゃないぞ」
幼「……んむ」
52: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 00:29:42.48 ID:aqV9KXspo
幼「そろそろ帰らなくて大丈夫なのかい?」
男「ん?……もうこんな時間だったか」
幼「だいぶ体も楽になったし、もう一人でも平気さ」
男「……ほんとか?」
幼「……」
幼「……最後に、少し」
男「うむ」
幼「それじゃ、また学校で」
男「おう、それじゃあな」
53: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 00:32:42.38 ID:aqV9KXspo
男「……」
男(いい匂いするな、あいつ)
男(……くん、くん)
男「……変態か、俺は」
幼「……肩幅、広かったな」
幼「……ぎゅぅ」
幼「……なにやってるんだボクは」
54: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 00:39:47.23 ID:aqV9KXspo
男「よっす、今日は元気か?」
幼「おかげさまで、この通りさ」
男「自信満々なところ悪いが」
幼「ん?」
男「髪、跳ねてるぞ。ほら、ここ」
幼「っ」
幼「……キミってやつは」
男「?」
幼「……何でもないよ」
55: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 00:46:49.81 ID:aqV9KXspo
幼「……むぅ」
男「ややお疲れムードだな」
幼「優しい気持ちはありがたいけれど、心配する言葉に返す労力がね」
男「そういうもんかね」
幼「そういうものだね」
56: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 01:08:17.16 ID:aqV9KXspo
男「そういえば、お前が風邪ひいた理由ってさ」
幼「こんな所にしょっちゅういるからじゃない……って?」
男「うむ」
幼「どうだろうかなー……そこまで寒くはないんじゃないか?」
男「まぁ、こうしてくっ付いてればな」
幼「……ふふ」
幼「たまには風邪ひくのもいいかなーとは思うけれど」
男「なんで?」
幼「……」
男「……」
幼「授業始まるね、先行くよ」
男「お、おう」
58: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 01:36:52.32 ID:aqV9KXspo
ザアーッ
幼「……しまったな、朝の天気予報見てなかった」
男「傘忘れたのか」
幼「うむ、キミは?」
男「このとおり」
男「ほら、一人分ぐらいなら防ぐ余裕があるはずだ」
幼「……それじゃお言葉に甘えるとするよ」
59: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 01:41:07.91 ID:aqV9KXspo
幼「……」
男「……」
幼「……なぁ」
男「ん?」
幼「キミはボクと並んで歩いても、何も感じないかい?」
男「……お前は何か感じるか?」
幼「質問に質問で返すつもりかね」
男「小学校では習わなかったかな」
幼「そうだなぁ……」
幼「すっごくドキドキするよ。雨の冷たさも感じないくらいにね」
男「……俺も同じだ」
幼「……」
男「……」
幼「卑怯者」
男「面目ないっす」
60: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 01:43:16.71 ID:aqV9KXspo
また短く刻む
どんなレスでも
一つでもついてくれると次書こうって思える
66: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 16:20:32.31 ID:aqV9KXspo
幼「ここまででいいよ」
男「へ?でも、お前の家まだ……」
幼「キミの家は向こうだろう?」
男「だがしかし」
幼「ここまでで、いいんだ」
男「……そうか」
男「気を付けて帰れよ」
幼「うむ」
67: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 16:26:37.30 ID:aqV9KXspo
幼「……ここまででいい、か」
幼「可愛くないな、本当に」
幼「……っ」
幼「流石にこれは……少し雨宿りしよう」
幼「……」
幼「……止まないな、雨」
幼「しかし、寒いな」
幼「……」
幼「あいつの顔が、浮かぶなぁ」
68: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 16:29:42.67 ID:aqV9KXspo
男「その顔ってのは」
幼「……!」
男「こんな顔だったかね」
幼「……あそこまででいいって、言ったじゃないか」
男「おう」
幼「……せっかく傘を持ってるのに、びしょ濡れだなんてバカかい?」
男「おう」
幼「……」
男「……」
幼「……隣に座ってくれないかい」
男「……おう」
69: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 16:36:18.02 ID:aqV9KXspo
幼「止まないな、雨」
男「そうだなー」
幼「このまま止まなきゃいいのに、なんて思ってしまうよ」
男「それは……」
幼「どういう?なんて言ったら、流石のボクでも蹴っちゃうぞ」
男「……ぐぬぬ」
幼「まだ、真っ直ぐ見てくれないのかい?ボクを」
幼「ボクはずっと、キミの方しか向いていないのに」
男「いや、その……」
幼「……嫌なら嫌でも構わないんだ。今の気持ちを正直に、言って欲しい」
男「……」
70: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 16:37:00.29 ID:aqV9KXspo
男「……お前、意外と胸あるな」
幼「……」
男「……」
げしっ
71: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 16:42:40.54 ID:aqV9KXspo
男「正直に言ったのに蹴られるなんて」
幼「流石に想定外だったからね」
男「俺だって、好きな女の前で照れ隠ししたくなることもある」
幼「そういう問題じゃ……え?」
男「お前は他人の視線に無頓着だからな。俺がお前を見てないと思ってるみたいだが」
幼「ちょ、ちょっと……」
男「ここまで言われて、今さら引けるか」
幼「……」
男「……」
72: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 16:51:29.31 ID:aqV9KXspo
男「……雨、止んだな」
幼「……みたいだね」
男「また降りだしたら心配だからな。家まで送るよ」
幼「お願いしていいかな」
男「おう、任せろ」
幼「……ふふ」
男「……改めてこうしてると、照れてくるな」
幼「ボクもドキドキしてるよ、お互い様さ」
男「そうか」
幼「そうとも」
73: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 17:02:58.67 ID:aqV9KXspo
男「それじゃ、また」
幼「うん、ありがとう」
男「……柔らかかったな、あいつ」
男「……」
男「思い出すと赤くなってくる、思い出すのは止めよう
幼「……」
幼「……ふふ」
幼「……こんな顔、見せられないな」
幼「思い出すのは止めておいた方がいいな」
幼「……」
幼「……ふふ」
74: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 17:13:49.85 ID:aqV9KXspo
男「おはよーっす」
幼「うむ、おはよう」
男「……」
幼「……」
幼「顔を赤くしてどうしたんだい?」
男「そっちこそ、妙ににやけてるじゃないか」
男「……」
幼「……」
男「とりあえず、教室へ入ろうか。周りの邪魔だ」
幼「ん、そうだね」
75: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 17:20:08.48 ID:aqV9KXspo
幼「……なんだ、キミか」
男「俺以外に誰か来るか?」
幼「いや、全く」
男「隣いいか?」
幼「ご遠慮なく」
男「……案外寒くないな」
幼「だろう?」
男「でも、さっきまで一人だったんだよな」
幼「あぁ、とても寒かったな」
男「……」
幼「……そんなに強くされると、少し痛いよ」
男「寒いのとどっちがいい?」
幼「……その質問は卑怯じゃないかね」
男「おう」
幼「そうだね、答えは……」
76: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 17:23:11.32 ID:aqV9KXspo
男「……」
幼「……」
幼「答えは痛いのも寒いのもいや、かな」
男「……おう」
幼「今後とも優しく頼むよ」
男「……それじゃ、こちらからもお願いがある」
幼「ん、なんだろうか」
男「もっかい頼む」
幼「え?こ、こらっ……んっ……」
78: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 17:25:30.55 ID:aqV9KXspo
幼「……」
男「……」
幼「次やったら蹴るだけじゃすまないよ」
男「俺も痛いのは嫌です」
幼「……それじゃあ、もっと丁寧に扱う事だね」
男「仰せのままに、お姫様」
幼「……ふふっ、行こうか」
男「おっと、もうそんな時間か」
幼「はい、手」
男「ん、手」
79: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 17:30:41.89 ID:aqV9KXspo
幼「キミと出会えてよかったよ」
男「同感だな」
幼「……ふふ」
男「……」
幼「……」
幼「教室に二人で手を繋ぎながら入ってはいけない、今後の教訓にしておこう」
男「……だな」
80: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/27(月) 17:32:10.69 ID:aqV9KXspo
くぅー、疲れませんでした
これにて終了です
それではまたどこかで
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1390/13901/1390152966.html