1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 04:27:01 ID:DxAlV0U2
魔王「そこはかとなく無念じゃあ・・・」フヨフヨ
勇者「ホントに悲観してるのかわからないけど・・・」
勇者「自宅までついて来ないでよ!」
魔王「取り殺してやるぅ・・・」フヨフヨ バッ
勇者「わわっ!」
魔王「・・・触れない・・・」
魔王「魔法も・・・だめ・・・」
魔王「・・・・・・」
魔王「無念じゃああぁぁぁ・・・」フヨフヨ
勇者「・・・・・・」
2 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 04:37:50 ID:DxAlV0U2
魔王「今思えば・・・」
魔王「決戦の日くらい本気を出せばよかったあぁぁ・・・」
勇者「そんな・・・本気じゃなかったの?」
魔王「いや、本気じゃったあぁぁ・・・」
勇者「へ?」
魔王「無念じゃあぁ・・・」
勇者「どっちなのさ!」
魔王「どっちもどっちじゃあぁ・・・」
勇者「えぇと・・・何の話・・・?」
魔王「知らんんん・・・」
勇者「もう!適当なこと言わないでよ!」
3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 04:46:00 ID:DxAlV0U2
魔王「そうじゃあぁぁ・・・」
魔王「私の声は聞こえているらしいぃぃ・・・」
勇者「うん、聞こえてるけど・・・」
魔王「よっしゃああぁぁぁ・・・」
魔王「ならばあぁぁぁ・・・」
魔王「睡眠を妨害してやるぅぅ・・・」
勇者「えーっと、まだお昼だから」
勇者「眠いとか、そういうのはまだ・・・ないかな、ごめんね?」
魔王「・・・・・・」
魔王「・・・・・・」
魔王「寝ろぉ・・・」
勇者「寝かしてくれないんじゃなかったの?」
4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 05:01:05 ID:DxAlV0U2
勇者「お腹すいた、お昼にしよっかな」
魔王「私もまぜろおぉぉ・・・」
魔王「・・・・・・」
魔王「そうじゃあぁぁ・・・」
勇者「どうしたの?」
魔王「私を料理に混ぜろおぉぉ・・・」
魔王「体内からつつき殺してやるうぅぅ・・・」
勇者「結末を言ったら作戦ばれちゃうと思うんだけど・・・」
魔王「よろしいいぃぃ・・・」
勇者「いいんだ」
魔王「早くしろおぉぉ・・・鮮度が落ちる前にいぃぃ・・・」
勇者「それって、野菜と一緒にきざんじゃえってこと・・・?」
魔王「・・・・・・」
魔王「死んでもいやじゃあぁぁ・・・」
勇者「たぶんできないんだけどね・・・」
5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 05:12:56 ID:DxAlV0U2
勇者「ん~おいしっ」モグモグ
魔王「・・・・・・」ジーッ
勇者「・・・ん、食べる?というか食べられる?」
魔王「いらんんん・・・」
勇者「わかった」
勇者「あむっ・・・ん~」モグモグ
魔王「・・・・・・」ジーッ
勇者「ん~・・・」モグ・・・ゴクッ
勇者「ねぇ、ずっと見つめられてると、その・・・」
魔王「迷惑かあぁぁ・・・」
勇者「迷惑じゃないけど・・・」
魔王「そんなあぁぁ・・・」
勇者「嫌がらせのつもりだったんだ・・・」
6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 05:31:57 ID:DxAlV0U2
勇者「ごちそうさま」スック
魔王「足元に石鹸を配置いぃぃ・・・」
勇者「食べたものを片付けないと」カチャカチャ
魔王「背中どーんんん・・・」
勇者「洗剤どこだっけ・・・」
魔王「中身は抜いておきましたあぁぁ・・・」
勇者「あとは水で流して」
魔王「冷水と見せかけて熱湯うぅぅ・・・」
勇者「お片付け完了・・・だね」
勇者「・・・魔王?」
魔王「どれ一つとして成らずうぅぅ・・・」
魔王「無念じゃあぁぁ・・・」
勇者「ちょっとかわいそうになってきた・・・」
7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 05:50:50 ID:DxAlV0U2
魔王「情けはいらんんん・・・」
魔王「かけるなら殺すなあぁぁ・・・」
勇者「あ、そうだよね・・・ごめんなさい」
魔王「死ぬ前に私が言ったことは覚えているかあぁぁ・・・」
勇者「うん・・・覚えてる」
魔王「このまま生きながらえても恥さらしいぃぃ・・・」
魔王「どうせなら一思いにやっ・・・やっ・・・」
魔王「ぐおぉぉ・・・」
勇者「う・・・うん、そうだったかな・・・」
魔王「くっそおぉぉ・・・」
魔王「かっこつけた自分死ねえぇぇ・・・」
8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 06:10:39 ID:DxAlV0U2
勇者「・・・そ~っと、そ~っと」ソロソロ
魔王「どこへ行くうぅぅ・・・」
勇者「ひゃっ?!」ビクッ
勇者「魔王・・・びっくりさせないでよ・・・」サッ
魔王「なぜそこを押さえるうぅぅ・・・」
勇者「で、出ちゃいそうになったから・・・」モジッ
勇者「だっ、だから、ついて来ないでね!」
魔王「・・・・・・」
魔王「嫌かあぁぁ・・・」
勇者「うん・・・ごめんだけど・・・」
魔王「よっしゃいくうぅぅ・・・」
勇者「ううぅ・・・」
9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 06:22:15 ID:DxAlV0U2
魔王「おいいぃぃ・・・」
魔王「入れないとかあぁぁ・・・お前やる気あんのかあぁぁ・・・」
勇者「誰にいってるの・・・?」
勇者「ホントにダメだってば、恥ずかしいし」
魔王「恥ずかしいなら嫌なんだろおぉぉ・・・」
魔王「嫌がってストレスで死ねえぇぇ・・・」
勇者「そんな死に方嫌だな・・・」
勇者「終わるまで、この結界は解かないよ」
魔王「くそがあぁぁ・・・」
魔王「お前ホントにやる気あんのかあぁぁ・・・」
勇者「だから誰に言ってるの・・・」
10 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 07:08:44 ID:DxAlV0U2
勇者「えーっと、どれどれ?」ビリリ
魔王「なんだそれはあぁぁ・・・」
勇者「手紙だよ、えぇと・・・賢者から」
魔王「どれどれえぇぇ・・・『んちゃ、勇者どの元気にいぃぃ」
勇者「目茶苦茶に読まないでよ・・・賢者、そんな口調じゃなかったし」
勇者「今日くるねってお手紙みたい」
魔王「くせ者かあぁぁ・・・」
勇者「それは魔王だと思うけど・・・」
魔王「丁度いいぃぃ・・・」
魔王「賢者もついでに取り殺してやるうぅぅ・・・」
11 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 07:23:23 ID:DxAlV0U2
魔王「お前まだ一人身かあぁぁ・・・」
魔王「早く孫の顔を見せろおぉぉ・・・」
勇者「僕の親じゃないんだから・・・」
勇者「そういうの断っちゃったし、これから先も考えてないかな」
魔王「おいいぃぃ・・・それじゃあぁぁ・・・」
魔王「濡れ場がおがめないいぃぃ・・・」
勇者「仮にそうだとしても、結界で絶対に入れてあげない」
魔王「大体いぃぃ・・・」
魔王「お前の性別がわからないいぃぃ・・・」
魔王「勇者七不思議かあぁぁ・・・」
勇者「想像で・・・ってことでいい・・・?」
12 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 07:38:46 ID:DxAlV0U2
魔王「おいいぃぃ・・・何をいじくってるんだあぁぁ・・・」
勇者「土だよ、土」
勇者「自分で作って、自分で食べるって、喜びがあるし有り難みがわかるから・・・」
魔王「ぐちゃぐちゃにしたいいぃぃ・・・」
勇者「そんなことしたら本気で怒っちゃうよ」
魔王「そうかあぁぁ・・・マジギレかあぁぁ・・・」
魔王「やるしかないいぃぃ・・・」
勇者「あのね!」
魔王「物理干渉ができないいぃぃ・・・」
魔王「なんで音だけえぇぇ・・・」
勇者「ヒヤヒヤした・・・」
13 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 07:58:30 ID:DxAlV0U2
魔王「勇者を殺す方法を真面目に考えてみたあぁぁ・・・」
勇者「物騒だよそれ・・・」
魔王「ポルターガイストで重いものをぶつけるうぅぅ・・・」
魔王「これで勇者は即死いぃぃ・・・」
勇者「あのタンスとかかな」
勇者「想像しただけで痛いよ・・・」
魔王「そうかそうかあぁぁ・・・」
魔王「想像に答えられなくてごめんなさいいぃぃ・・・」
勇者「どういうこと?」
魔王「さっき試したけどおぉぉ・・・」
魔王「米粒3mmしか動かせなかったあぁぁ・・・」
魔王「無念じゃああぁぁぁ・・・」
勇者「かわいいじゃん」
魔王「うっせえぇぇ・・・」
14 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 08:18:11 ID:DxAlV0U2
魔王「病気だあぁぁ・・・」
勇者「どうしたの?風邪引いた?」
魔王「違ううぅぅ・・・お前病気にかかれえぇぇ・・・」
勇者「へ?」
魔王「病気にかかればあぁぁ・・・私が手を下さずともおぉぉ・・・」
魔王「勝手に死ぬだろううぅぅ・・・」
勇者「それはそうだけど・・・自分から好きで病気にかかりたいなんて思わないよ」
魔王「思ええぇぇ・・・」
勇者「ごり押しなんだ・・・」
15 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 08:39:44 ID:DxAlV0U2
魔王「こうなったらあぁぁ・・・」
魔王「暴言で精神的に追い詰めてえぇぇ・・・」
魔王「自殺に追い込んでやるうぅぅ・・・」
勇者「やり口がえぐいよ・・・」
魔王「うるせえぇぇ・・・死ねえぇぇ・・・」
勇者「魔王がやると迫力が・・・」
魔王「死ねえぇぇ・・・」
魔王「死ねえぇぇ・・・」
魔王「・・・・・・」
魔王「死ねえぇぇ・・・」
勇者「えぇと・・・それだけなんだ」
魔王「・・・・・・」
魔王「死ねよおぉぉ・・・」
勇者「悔しそうに言われても・・・」
17 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 08:57:27 ID:DxAlV0U2
魔王「ぐあああぁぁ・・・」モゾモゾ
勇者「ん、魔王どうしたの?」
魔王「死ぬうぅぅ・・・」モゾモゾ
勇者「えっ?!大丈夫なの?!」
勇者「どこが痛いの?回復で治れば・・・」
魔王「くっそおぉぉ・・・」
勇者「・・・?」
魔王「私が死にかけてえぇぇ・・・見たお前がショック死する作戦なのにいぃぃ・・・」
魔王「死ねよおぉぉ・・・」
勇者「これは・・・ちょっと酷いかも」
魔王「そうかあぁぁ・・・そう言ってもらえるとおぉぉ・・・私はうれしいぞおぉぉ・・・」
勇者「そうですか、魔王もう好きにやったらいいよ」ツカツカ
魔王「怒らせたあぁぁ・・・でかした自分んん・・・」
18 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 09:22:25 ID:DxAlV0U2
魔王「またもや作戦を編み出したあぁぁ・・・」
魔王「米粒程度を動かせるならあぁぁ・・・」
魔王「空気中の塵程度ならあぁぁ・・・余裕でポルターガイストできるうぅぅ・・・」
魔王「鼻に誘導してクシャミを誘発うぅぅ・・・」
魔王「これでクシャミを連発した勇者はあぁぁ・・・紆余曲折あって死ぬだろうぅぅ・・・」
勇者「・・・・・・」カキカキ
魔王「どうしたあぁぁ・・・抵抗せねば死ぬぞおぉぉ・・・」
勇者「・・・・・・」カキカキ
魔王「静かに死を受け入れるかあぁぁ・・・ゆくぞおぉぉ・・・」
魔王「いいぞおぉぉ・・・塵いぃぃ・・・そのまままっすぐうぅぅ・・・」ヒュウウ
魔王「ぐあああぁぁ・・・死ねえぇぇ・・・風があぁぁ・・・」
勇者「・・・・・・」カキカキ
19 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 09:47:40 ID:DxAlV0U2
魔王「さっきから何を書いているうぅぅ・・・」
勇者「・・・・・・」カキカキ
魔王「日記かあぁぁ・・・日記なのかあぁぁ・・・」
魔王「仮に日記ならばあぁぁ・・・私が日記を朗読しいぃぃ・・・」
魔王「勇者を悶死させることが可能うぅぅ・・・」
魔王「無用心なやつめえぇぇ・・・どれどれえぇぇ・・・」
勇者「・・・・・・」カキカキ
魔王「・・・・・・」ジーッ
魔王「おいいぃぃ・・・何語だこれえぇぇ・・・」
魔王「読めないだろうがあぁぁ・・・」
魔王「何者だこいつはあぁぁ・・・」
勇者「・・・・・・」カキカキ
魔王「勇者だったあぁぁ・・・」
20 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 10:32:29 ID:DxAlV0U2
魔王「リアクションがないいぃぃ・・・」
魔王「これではあぁぁ・・・私の作戦の効果のほどがあぁぁ・・・知れないいぃぃ・・・」
魔王「こらあぁぁ・・・アクションを返せえぇぇ・・・」
勇者「・・・・・・」カキカキ
魔王「どうやらあぁぁ・・・また結界を張ったらしいいぃぃ・・・」
魔王「怒らせたのかあぁぁ・・・私が何かしたかあぁぁ・・・」
魔王「・・・・・・」
魔王「私が何かして怒らせた事を思い出したあぁぁ・・・」
魔王「これのせいかあぁぁ・・・だったらすまぬうぅぅ・・・」
勇者「・・・・・・」
魔王「理由がわからないから後悔も反省もないいぃぃ・・・」
魔王「だがとりあえず謝っておくうぅぅ・・・すまぬうぅぅ・・・」
勇者「・・・それ聞けたならいいよ」
21 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 10:47:41 ID:DxAlV0U2
魔王「私だったら火球ぶつけるレベルうぅぅ・・・」
魔王「それは悪いことをしたあぁぁ・・・」
勇者「誰でも、厚意を踏みにじられるのはよく思わないよ」
魔王「心得たあぁぁ・・・ごめんなさいいぃぃ・・・」
魔王「しかしいぃぃ・・・他の嫌がらせは困らないのかあぁぁ・・・」
魔王「私としてはそこが疑問だあぁぁ・・・」
勇者「うーん・・・それは」
勇者「暇が潰れて丁度いいかな、とか・・・」
魔王「くそおぉぉ・・・なめられてたあぁぁ・・・」
勇者「そんなんじゃないよ・・・」
魔王「だったらあぁぁ・・・絶望するような作戦を考案せねばあぁぁ・・・」
22 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 11:10:15 ID:DxAlV0U2
勇者「よいしょ」ガタッ
魔王「おいいぃぃ・・・またトイレかあぁぁ・・・」
勇者「違うよ!賢者来るから、切らしてたお茶とか買ってこないと」
魔王「何の真似だあぁぁ・・・」
勇者「お客さんをおもてなしするだけなんだけど・・・」
魔王「知ってるうぅぅ・・・」
勇者「もう・・・」
勇者「・・・魔王も来る?」
魔王「当然んん・・・お前から離れたら嫌がらせができないいぃぃ・・・」
勇者「そっか、じゃあついて来て」
魔王「言われずとも行くうぅぅ・・・」
23 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 11:27:23 ID:DxAlV0U2
<町>
ザワザワ・・・
魔王「さすが有名人んん・・・民衆の目線が一局集中うぅぅ・・・」
勇者「穴があったら入りたい・・・」
魔王「あの娘は家の中に逃げ込んだがあぁぁ・・・」
魔王「お前何か悪いことしたかあぁぁ・・・」
勇者「魔王が見えたんじゃないの?」
勇者「・・・そうだったら少しマズイかも」
魔王「もう少しビビらせてくるうぅぅ・・・」
勇者「だ、だめだってば!」ギュッ
魔王「動けぬうぅぅ・・・」
勇者「あれ・・・触れた・・・?」ギュ-
24 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 11:50:51 ID:DxAlV0U2
勇者「お茶と、適当な食べ物を買った」
魔王「割には荷物が多いいぃぃ・・・」
勇者「それは・・・サービスしてもらったから・・・」
魔王「断らずにさっさともらうべしいぃぃ・・・」
勇者「だって、これでもホントに僕じゃたべきれないかも・・・」
勇者「腐らせちゃったりしたら申し訳ないよ」
魔王「食わないと大きくなれないいぃぃ・・・」
勇者「こっち見てそういうの止めてよね・・・」
魔王「なんだあぁぁ・・・悔しいかあぁぁ・・・」
勇者「・・・・・・」
勇者「うん、凄く悔しいかな」
魔王「よっしゃあぁぁ・・・」
25 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 12:31:42 ID:DxAlV0U2
町人A・B「~♪」
魔王「見せつけてくれるうぅぅ・・・勇者がかわいそううぅぅ・・・」
勇者「僕触れるみたいだし、ひっぱたくよ?」
魔王「死んでも嫌だあぁぁ・・・」
勇者「はぁ・・・僕もひょっとしたらあんなふうになれてたのかな」
魔王「自分語りでもするのかあぁぁ・・・」
勇者「魔王幽霊だし、いいかなって思って」
魔王「根拠が幽霊だからかあぁぁ・・・」
勇者「じゃあ止めとくね」
魔王「いじれるとこありそうだから聞くうぅぅ・・・」
勇者「聞いてほしいだけなんだけど・・・」
魔王「対価だあぁぁ・・・対価あぁぁ・・・」
勇者「そういうものなのかな・・・」
26 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 13:10:50 ID:DxAlV0U2
勇者「別に長く一緒にいたわけじゃないんだけど」
勇者「面白い話する人で、いい人だなって思った」
魔王「私旅芸人と結婚しましたあぁぁ・・・」
勇者「それはたまに聞くけど、そういう人じゃないよ」
勇者「身分の高い人で、近づける人じゃなくて人の話をなかなか聞かない人だったけど」
勇者「ようやく会えて・・・一度きり会ったあと、亡くなっちゃったんだ」
魔王「犯人は勇者だあぁぁ・・・」
勇者「・・・うん、僕みたいなものなんだ、僕の意見を通せなかった、僕のせい」
魔王「そうかあぁぁ・・・自首しろおぉぉ・・・」
魔王「そのまま死刑にされれば私が捗るうぅぅ・・・」
勇者「それはできないよ、その人との約束が守れないから」
魔王「くそおぉぉ・・・」
勇者「・・・・・・」
27 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 13:17:26 ID:DxAlV0U2
<家>
勇者「はぁ・・・歩き疲れた」
魔王「情けないぞおぉぉ・・・あれしきの運動でえぇぇ・・・」
勇者「荷物が重かった・・・」
魔王「潰されて死ねばいいいぃぃ・・・」
勇者「いやだよ」
勇者「・・・あ、片付けておかないと」
魔王「塵をばらまけばいいんですねえぇぇ・・・」
勇者「それはちょっと・・・」
魔王「かしこまりましたあぁぁ・・・」スーッ
勇者「はぁ・・・頑張ろ」
28 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 14:51:14 ID:DxAlV0U2
魔王「塵ぽーいいぃぃ・・・ホコリぽーいいぃぃ・・・」フワッフワッ
勇者「ここはこれくらいでいいかな、じゃあ次こっち」ゴソゴソ
魔王「どりゃああぁぁ・・・うりゃああぁぁ・・・」モフッモフッ
魔王「調子に乗ってきたあぁぁ・・・」フワモフッ
勇者「ええっと・・・これはこっち」ゴトッ
魔王「奥にもあるうぅぅ・・・出てこいやあぁぁ・・・」ブワッ
勇者「ありがと、わざわざ奥まで綺麗にしてくれて」ガサガサ
魔王「床に紙敷いてやがったあぁぁ・・・」
魔王「ばらまいた塵ホコリが回収されていくうぅぅ・・・」
魔王「無念じゃあぁぁ・・・」
29 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 15:15:15 ID:DxAlV0U2
賢者「おいっス」
勇者「賢者、お久しぶり」
魔王「ほんとだあぁぁ・・・『んちゃ』じゃないいぃぃ・・・」
賢者「びょええっ?!なんですかこの憑き物は?!」
魔王「魔王と申しますうぅぅ・・・特技はホコリ投げえぇぇ・・・」
賢者「そうですか、魔王さんというと、以前勇者さんが倒しておられた?」
勇者「そうなんだけど、とりついちゃった?みたいで・・・」
賢者「あら、そうなんですね、おほほほほ・・・」フラッ
パタン
賢者「 」
魔王「土曜のお昼のお笑い劇みたいなリアクションんん・・・」
勇者「そんなのあったっけ・・・んしょっ」
30 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 15:29:52 ID:DxAlV0U2
賢者「 」
魔王「これはまたとないチャンスうぅぅ・・・」
魔王「寝込みをおそううぅぅ・・・完璧だあぁぁ・・・」
魔王「手始めにホコリを少しずつ鼻につめこんでやるかあぁぁ・・・」フワフワ
ギュッ
賢者「ぅえきしっ!?」ビャッ
魔王「ぐぬああぁぁ・・・ばかなあぁぁ・・・」ヒュゥゥゥ・・・
賢者「・・・はぁ、びっくりしました、思わず法力爆発です」
勇者「あ、賢者起きたんだ」カチャ
賢者「勇者さん、どこにおられたんですか?」
勇者「お茶を用意してたんだけど・・・」
賢者「あらあらすみません、気を使っていただいて・・・あら、悪霊は?」
勇者「・・・あれ、魔王どこいったの?」
31 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/11(土) 17:57:13 ID:DxAlV0U2
魔王「隣室に飛ばされておりましたあぁぁ・・・」
勇者「消えたのかと思った・・・」
賢者「ひいいい!まだいるんですか、この悪霊は!」
魔王「悪霊じゃなくて魔王うぅぅ・・・」
勇者「いたずらはするけど、別にネタ程度だから、心配はいらないよ」
魔王「言ったなお前えぇぇ・・・風呂は絶対覗くうぅぅ・・・」
勇者「ちょ、ちょっとやめてよね!」
魔王「悶死しやがれえぇぇ・・・」
賢者「この子、あなたを殺す腹積もりなんじゃないの?」
魔王「この子って言うなあぁぁ・・・」
賢者「きゃあっ?!」
35 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 01:07:20 ID:yBFHCX9c
賢者「ち、ちょっと!真面目な話をしに来たんですから、邪魔しないで下さいよ!」
魔王「クソくらええぇぇ・・・」
賢者「なんですって・・・!」
勇者「落ち着いて、賢者。賢者らしくないよ」
賢者「少々動転してるんですよ!」
魔王「これでも一端の賢者でーすうぅぅ・・・」
賢者「いい加減ぷっつんしますよ!」ガタッ
勇者「魔王、少し静かにしててくれる?」
魔王「死んでも嫌だあぁぁ・・・」
勇者「じゃあもう勝手にすれば・・・」
魔王「かしこまりいぃぃ・・・」
勇者「・・・ありがとう、魔王」
37 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 01:29:40 ID:yBFHCX9c
賢者「あなたが魔王を倒す一ヶ月前、前の王様が暗殺されたことはしってますよね?」
勇者「うん、知ってるけど・・・」
魔王「私も知ってるうぅぅ・・・」
魔王「絶対勝ったと思ったのにいぃぃ・・・負けたあぁぁ・・・」
賢者「馬鹿な大臣がやったことですし、すぐに鎮圧されて王子が王様になったからよかったんですけど」
賢者「・・・最近ね、出るんですよ」
勇者「出るって?」
賢者「王様の幽霊が・・・です」
魔王「生き霊かあぁぁ・・・」
賢者「先代の王様に決まってるじゃないですか!」
38 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 01:40:11 ID:yBFHCX9c
魔王「どこが真面目な話だあぁぁ・・・それは井戸端会議いぃぃ・・・」
賢者「どうせ悪霊にとってはしょーもない話ですよ」
魔王「どうせ怖いからついてきてえぇぇ・・・」
賢者「・・・なんでばれたんですか」
勇者「ええと・・・僕がついてけばいいのかな」
賢者「私が調査を頼まれていたんですけど、その、そういうのは苦手で・・・」
魔王「ばああぁぁ・・・」
賢者「アンタはもう見慣れましたよ」
魔王「ちええぇぇ・・・」
勇者「どうせ年中暇だし、僕でよければ手伝うけど」
賢者「ありがとうございます!恩に着ります!」ガシッ
勇者「・・・そんなに?」
39 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 02:04:50 ID:yBFHCX9c
~夕方~
魔王「夜出るからと二人とも寝てしまったあぁぁ・・・」
魔王「これはあぁぁ・・・二人同時に殺せるチャンスうぅぅ・・・」
魔王「しかしいぃぃ・・・ホコリいぃぃ・・・お前はダメだあぁぁ・・・」モフッ
魔王「ここで一計いぃぃ・・・」
魔王「空気中の水蒸気をかき集めえぇぇ・・・こいつらをしっとり濡らせばあぁぁ・・・」
魔王「風邪を引いて紆余曲折あり死ぬだろううぅぅ・・・」
魔王「濡れろおぉぉ・・・濡れろおぉぉ・・・」グググ
勇者「何だか今日は涼しいね」
賢者「そうですね、夏の割には気持ちいい気温です」
魔王「くそおぉぉ・・・蒸発してあんまり濡らせなかったあぁぁ・・・」
40 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 02:22:20 ID:yBFHCX9c
<町>~夜~
魔王「くっついて歩くなあぁぁ・・・」
賢者「よっ、夜の町って、あ、あ、案外雰囲気ありますね・・・」カタカタ
勇者「そうかな・・・?」
魔王「私の話を聞いているのかあぁぁ・・・」
賢者「ひょえっ!?」ガッ
ズデンッ
賢者「痛い・・・」
魔王「頭打って死ねよおぉぉ・・・」
魔王「そうだあぁぁ・・・勇者あぁぁ・・・お前もこけろおぉぉ・・・」
勇者「無茶言わないでよ・・・賢者、手を貸すから」
賢者「あ、ありがとうございます」ギュッ
魔王「つまんないいぃぃ・・・」
41 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 02:44:05 ID:yBFHCX9c
<王城横の森>
賢者「離してくださいぃぃ!」ズルズル
勇者「そうは言っても賢者が調査してくれないと・・・」
魔王「情けなしいぃぃ・・・ショック死すれば楽になるうぅぅ・・・」
賢者「死にたくないですうぅぅ!」
勇者「死なないってば」
魔王「バカ賢者あぁぁ・・・後ろ注意いぃぃ・・・」
賢者「びょえええっ!?!?」バッ
魔王「そこは昏倒して頭打って死ぬとこおぉぉ・・・」
賢者「嘘つきやがらないでくださいっ!」
魔王「じゃああれはなんだあぁぁ・・・」
賢者「いい加減にくださいよね!」
王様「・・・・・・」ボーッ
賢者「ほら、人影が見えるだけじゃないですか!」
42 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 09:12:28 ID:yBFHCX9c
賢者「 」ピクピク
魔王「よっしゃあぁぁ・・・死んだあぁぁ・・・」
勇者「死んでないから・・・賢者起きて」ユサユサ
賢者「はっ!」
王様「・・・・・・」ボーッ
王様「・・・・・・」チラッ
賢者「わあああ!許してくださいいぃぃ!」ドゲザアァァ・・・
賢者「あれですか!弟子になったら許していただけますか?!なんでも致しますからあぁぁ!」シクシク
王様「・・・それは本当か?」
賢者「大マジですからあぁぁ!」シクシク
王様「それでは・・・わしについて来い」
魔王「冥府へご招待いぃぃ・・・」
賢者「嫌あぁぁ!殺されるうぅぅ!」ビエェェ・・・
勇者「賢者ったら・・・」
43 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 09:22:59 ID:yBFHCX9c
<森奥部・沼地>
白骨「 」
賢者「はっ・・・こつ・・・」フルフル
勇者「気をしっかりもって、賢者、深呼吸」
賢者「すーっ・・・はぁーっ・・・」
賢者「・・・・・・」
賢者「もう嫌あぁぁ・・・」シクシク
魔王「バカ賢者がグロッキーだあぁぁ・・・」
賢者「バカって言うなあぁぁ・・・」シクシク
勇者「王様、これはもしや・・・」
王様「・・・ああ、そうだ」
王様「これは、わしの屍である」
44 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 09:46:32 ID:yBFHCX9c
賢者「王様の亡きがらを、探す兵は、幾度も、だされてましたがぁ・・・」シクシク
賢者「ヒック・・・証言を得ないまま、大臣が殺されたので、難航してましたぁ・・・」シクシク
魔王「泣けえぇぇ・・・脱水症状で死ねえぇぇ・・・」
賢者「生きるうぅぅ・・・」シクシク
王様「そうか・・・それは難儀だったな」
王様「・・・王子は立派にしているか?」
賢者「よく国を納めなさっております・・・」シクシク
王様「そうか・・・そうか・・・」
王様「・・・少しわしの屍から離れる」
王様「明日、王子・・・いや、王に会いに行きなさい」
賢者「かしこまりましたあぁぁ・・・」シクシク
勇者「・・・かしこまりました」
王様「では・・・な」フッ
45 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 09:57:42 ID:yBFHCX9c
<家>
賢者「金輪際二度と再びあんな体験はしたくないです・・・」
魔王「王様の骨があるぞおぉぉ・・・」
賢者「ひゃっ?!」ビクッ
賢者「・・・やめてくださいよ・・・もう」
勇者「ちゃんとした入れ物に入れられないのが残念だけど」
勇者「・・・よかった、これで王様も安心かな」
賢者「ええ・・・そうですね」
賢者「明日は早いですし、もう寝ましょう」
勇者「そうなんだけど、汗が気持ち悪くて・・・」
賢者「そこの悪霊が覗くんじゃありませんか?」
魔王「当たり前えぇぇ・・・」
勇者「大丈夫だよ、結界張っちゃえば」
賢者「そうですか、ではお言葉に甘えます」
勇者「うん、じゃあお先にどうぞ」
46 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 10:07:07 ID:yBFHCX9c
魔王「おいいぃぃ・・・開けやがれえぇぇ・・・」
勇者「今賢者が入ってるんだからダメだよ」
魔王「お前やる気無いだろおぉぉ・・・」
勇者「やる気・・・?」
魔王「大体いぃぃ・・・なんでお前は一緒に入らないいぃぃ・・・」
魔王「遠慮するってことはお前男かあぁぁ・・・」
勇者「遠慮ってそういう意味じゃないけど・・・」
勇者「その・・・見るのも見られるのも恥ずかしいし・・・」
魔王「なんだ恥ずかしがりやかあぁぁ・・・」
勇者「ま、魔王はどっちなのさ!」
魔王「お前が死んだら教えるうぅぅ・・・」
勇者「じゃあ当分先かな・・・」
47 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 10:13:08 ID:yBFHCX9c
勇者「ふう、サッパリした」
魔王「最早やる気が微塵も感じられないいぃぃ・・・」
勇者「何の話なの・・・」
勇者「魔王はお風呂はいる?」
魔王「水は私を貫通するうぅぅ・・・よって必要なしいぃぃ・・・」
勇者「そっか」
魔王「バカ賢者はもう寝たあぁぁ・・・」
魔王「殺そうとしてたらお前が来たあぁぁ・・・」
勇者「阻止できたのかな?」
魔王「くそおぉぉ・・・」
48 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 10:23:20 ID:yBFHCX9c
勇者「・・・ねえ、魔王」ギュッ
魔王「なんじゃこりゃあぁぁ・・・感覚ないのに動けないいぃぃ・・・」
勇者「感覚ないんだ」
勇者「・・・えぇと、魔王って、もう僕に憑いてるんだよね」
勇者「絶対に離れないのかな?」
魔王「お前が死ぬまで離れないぃぃ・・・」
勇者「・・・そう、わかった」
勇者「それじゃあおやすみ、魔王」
魔王「さっさと寝ろおぉぉ・・・殺してやるうぅぅ・・・」
49 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 11:50:35 ID:yBFHCX9c
~朝~
ビョエエエ!?
勇者「ん・・・賢者?」
魔王「腰ぬかしたあぁぁ・・・」
賢者「もうここ嫌です・・・」グスッ
魔王「起きたとき目の前にいただけだろうがあぁぁ・・・」
勇者「もう・・・僕はともかく、賢者はやめたげてよ」
魔王「なんだあぁぁ・・・お前に全部やれってかあぁぁ・・・」
勇者「うん」
魔王「お前それ衝撃発言だよおぉぉ・・・」
勇者「え?どうして?」
魔王「自分の胸に聞いてみろおぉぉ・・・」
勇者「んむむ・・・」
50 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 12:04:24 ID:yBFHCX9c
魔王「早く支度しろおぉぉ・・・バカ賢者あぁぁ・・・」
賢者「バカって言わないでくださいよ!悪霊!」
魔王「じゃあビビりいぃぃ・・・」
賢者「もう、無視無視」ツーン
魔王「つれないやつうぅぅ・・・」
勇者「魔王、王様の前では礼儀正しくできるよね?」
魔王「死んでも無理いぃぃ・・・」
勇者「そっか、じゃあ結界の中に」
魔王「死ぬほど頑張るうぅぅ・・・」
勇者「見えるかはわからないけど、それが助かるよ」
51 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 13:01:26 ID:yBFHCX9c
<王城>
大臣「どうぞ、こちらです」
勇者「ご案内感謝します」
大臣「いえいえ、王子様・・・失礼、現王様は朝から何やら気分が良いようで」
大臣「『いい夢を見た』とおっしゃっておりました」
勇者「そうなんですか」
大臣「ええ、お体も軽い様子であなた様方の来訪がそれはそれは待ち遠しいと・・・」
勇者「ええ・・・」
大臣「朝食も全てご完食なさり、お顔の血色も大変よろしく・・・」
勇者「・・・・・・」
魔王「孫可愛がりかあぁぁ・・・」
賢者「今の大臣さん、王子さんのお世話係だったんです」コソッ
勇者「・・・そうなんだ」コソッ
大臣「また、今朝の食後の運動の際も・・・」
52 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 13:32:03 ID:yBFHCX9c
現王「よく来てくれた、先ずは先日のことも含め、例を言わせてもらう」
現王「ありがとう、賢者、それに勇者」
賢者「滅相もございません・・・です」
勇者「私は賢者の手助けをしたまでですので」
現王「いやいや、勇者、昨夜はあなたがいなければ遂行できなかったようだ」
現王「昨夜、女中が森から悲鳴が聞こえたと怖がっていてね」
賢者「・・・///」カァァ
現王「無理を言って申し訳なかった」
賢者「いっ、いえ!そんな無理なんて言うものでは!///」アセアセ
勇者「賢者は頑張ってました、しっかりと役割も果たしておりましたし」
現王「それは聞いたよ、先代王・・・父にね」
53 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 14:04:48 ID:yBFHCX9c
現王「昨夜、夢枕に父が立ってね」
現王「あなた方が見つけだしてくれたから、最高のもてなしをするよう言付かったんだ」
魔王「消えたと思えばお節介かあぁぁ・・・」
勇者「・・・魔王」
現王「ん、どうした?」
勇者「いえ、大変ありがたいですけど・・・」
賢者「調査しただけですし、そこまでの歓待を受けるわけには・・・」
現王「遠慮しないでほしい、君達には前回断られているんだ」
現王「父の願いを聞き遂げるためということでは・・・ダメだろうか?」
賢者「えーと・・・」
勇者「・・・そうだね」
王様「わしからも頼む」スーッ
賢者「ひゃっ!?」
54 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 19:34:37 ID:yBFHCX9c
賢者「申し訳ございません!つい条件反射で!」ペコペコ
王様「仕方が無い、幽霊なんぞ慣れない者はいくつになっても慣れんものだ」
現王「悲鳴をあげたかと思うと謝りだして・・・彼女には何かみえているのかい?」
勇者「はい、先代王がお見えになってます」
現王「そうか、羨ましいな、見える人が」
現王「こんなに近くに父がいらっしゃるのに、私は半信半疑なのを拭いきれないんだ」
勇者「現王様・・・」
現王「だけど、夢枕に出てきた父はまごう事なき父だ」
現王「父は見てくれてる、悪いことなんてできないな」
勇者「・・・・・・」
現王「・・・客間で待っててほしい。準備ができたら使いを行かせる」
現王「それに、君達の仲間も呼ばせてもらってるから、久々かは知らないけど、顔を合わせてみるといい」
勇者「・・・かしこまりました」
55 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 21:23:24 ID:yBFHCX9c
<客間>
魔王「お前敬語話せたのかあぁぁ・・・」
勇者「それはちゃんと切り替えられるよ」
魔王「似合わないいぃぃ・・・」
勇者「・・・そうかな」
魔王「つうかあぁぁ・・・」
王様「・・・・・・」フラーッ
魔王「なんでお前までいるんだあぁぁ・・・」
王様「・・・先日からいたから気になっておったが、何者だ貴様」
賢者「勇者さんに取り憑いている悪霊なんです」
魔王「魔王と申しますうぅぅ・・・」
王様「魔王!?」
56 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 21:33:05 ID:yBFHCX9c
王様「取り憑いたまま離れないと・・・」
勇者「はい、そうです」
王様「わしならどうにかできるやもしれん」
勇者「・・・えっ」
王様「同じ霊と霊同士なら攻撃も通用するはずだ」
賢者「なるほど!さすが王様!」
勇者「ちょっと、そんな・・・」
魔王「つまり喧嘩かあぁぁ・・・」
王様「そうだ・・・ゆくぞ」フッフッ
魔王「上等うぅぅ・・・」プラプラ
勇者「やめてってば!」
57 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 21:56:32 ID:yBFHCX9c
魔王「くらええぇぇ・・・ホコリ投射あぁぁ・・・」フワッ
王様「物理攻撃は効かないと言ったはずだ!」スカッ
魔王「なにいぃぃ・・・投げれる量を増やしたのにいぃぃ・・・」
王様「くらうがいい!」ブンッ
魔王「危ないいぃぃ・・・」スッ
賢者「見ているこっちにも力が入りますね・・・!」グググ・・・
勇者「・・・止め方わかった、止めてくるね」
賢者「へ?勇者さん?」
魔王「そこまでだあぁぁ・・・正義の鉄拳をおぉぉ・・・」
ガシッ
魔王「なにいぃぃ・・・」
ガシッ
王様「な、なにをするっ!」
58 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/12(日) 22:34:48 ID:yBFHCX9c
勇者「魔王、落ち着いて」
魔王「死んでも無理いぃぃ・・・」
勇者「僕だけにするって約束は?」
魔王「そうかあぁぁ・・・ならしょうがないいぃぃ・・・」
勇者「・・・王様」
王様「しつけが出来ているからといって、例えこんな姿であっても、こやつを野放しにはできん」
王様「潜在的に魔力を秘めておるかもしれん」
王様「ホコリ等を動かせるのはそれが発現する前触れではないのか?」
勇者「・・・ダメでしょうか」
勇者「僕が責任を持って監視する、ということでは」
王様「万が一、ということがある」
勇者「・・・これは最後の手段なのですが」
勇者「魔王は僕を殺すことを本懐としています」
勇者「それを遂げさせれば、全て事なきを得ます、いかがでしょうか?」
王様「・・・・・・」
59 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/13(月) 10:23:39 ID:/AZdIEXk
賢者「王様どこかに行っちゃいましたね」
魔王「勇者嘘つきいぃぃ・・・」
賢者「えっ・・・?」
勇者「・・・・・・」
魔王「私はお前が死んだら離れるとは言ったがあぁぁ・・・」
魔王「成仏するなんて一言も言ってないぞおぉぉ・・・」
勇者「・・・その場しのぎで言っちゃった、それしか方法を思いつかなかったから」
賢者「勇者さん、それはずるいですよ!」
勇者「そうだよね・・・自分が嫌になった」
バタン
神官「失礼致します・・・おや」
戦士「どもども~・・・って、なんじゃありゃ?」
魔王「おいでやすうぅぅ・・・」
60 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/13(月) 10:37:06 ID:/AZdIEXk
戦士「なに、じゃあ魔王飼ってんの?落ちたねぇ~魔王も」
魔王「抜かしたなあぁぁ・・・ホコリぶつけんぞおぉぉ・・・」ブワッ
戦士「うわっ!やめろって!」
神官「勇者さんがよければ掃って差し上げますが・・・」
賢者「神官はらえるんですか?」
神官「魔王が掃えるかは自信がないのですけど」
勇者「・・・僕は大丈夫だよ、そこそこ頑丈だし、魔王のやることも受け止められるし」
神官「・・・そうですか」
神官「もし、力不足と感じたら頼ってくださって結構ですので」
勇者「・・・ありがとう、神官」
魔王「こいつに撃てない代わりにいぃぃ・・・」モフッ
勇者「うわっ!?」
戦士「何っ!」
61 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/13(月) 17:57:06 ID:/AZdIEXk
<広間>
現王「・・・ん、勇者、髪に何かついているぞ」
勇者「えっ?!あ・・・失礼しました・・・」ゴソゴソ
勇者(・・・ホコリだ)ジーッ
現王「よろしい」
現王「では会食を始める、これは先代王の亡きがらの発見と」
現王「魔王討伐の功績、勝ち取った平和を祝福するものである」
現王「皆、よく飲み、よく食べよ。そして、これから国を発展させて行くための英気を養え!」
現王「乾杯っ!」バッ
「「「「乾杯ーっ!」」」」バババーッ
戦士「悪いなーなんかタダ飯食いに来たみたいになっちゃって」
神官「元来からそういうつもりだったのでしょう?」
戦士「まぁそうなんだけどなー」
63 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/13(月) 18:09:23 ID:/AZdIEXk
魔王「勇者あぁぁ・・・何ビビってるんだあぁぁ・・・」
勇者「・・・ええと、フォークとナイフの使い方を・・・ちょっと・・・」アセアセ
魔王「お前はそれでも勇者かあぁぁ・・・」
勇者「だってこういう食べ方久しぶりだし・・・」
賢者「えぇと、これはなんですっけ」
神官「ホタテですよ、賢者」
賢者「そ、そうですそうです!美味しいですよね~」
魔王「あのバカ賢者ですらいい感じに食ってるのにいぃぃ・・・お前ときたらあぁぁ・・・」
勇者「うぅぅ・・・何だか情けなくなってきた・・・」
魔王「仮にも私は王だった身いぃぃ・・・作法ぐらいは心得ているうぅぅ・・・」
魔王「今から作法を叩き込んでやるからあぁぁ・・・しっかり聞いておけえぇぇ・・・」
勇者「魔王・・・よろしく」
64 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/13(月) 18:23:37 ID:/AZdIEXk
魔王「箸持つ方が右だあぁぁ・・・右と左の区別もつかないのかあぁぁ・・・」
勇者「ごめん!ちょっと焦っちゃって・・・」アタフタ
賢者「勇者さん苦戦してるみたいですねー」
神官「賢者さん、ナイフとフォーク持つ手が逆です」
賢者「あ・・・///」カァァ
戦士「置いてあるまま持てばいいのに、なんで逆に持てるのか不思議だよなぁ」
賢者「わかりましたよ!持てばいいんでしょ!持てば!」サッ
戦士「逆ギレされちまった!」
大臣(現王様、いい食べっぷりで・・・)ニコニコ
兵士長「大臣殿、食欲不振でございましょうか」
大臣(好物の魚料理、とてもお気にめしてらっしゃる様・・・)ニコニコ
兵士長「大臣殿・・・?」
65 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/13(月) 18:41:03 ID:/AZdIEXk
戦士「元気でなによりだよ、まったく」
賢者「はいはい、戦士さんみたいにお残しなんてしませんから」
戦士「いいだろ、付け合わせくらい・・・」
賢者「いいですよ、私がいただきますから」バクッ
戦士「おい、ミョウガをそんなに・・・」
賢者「・・・うぇぇ」
戦士「バカだよなぁ・・・」
魔王「なってないいぃぃ・・・」ピャッ
勇者「わっ!目に入った!」ゴシゴシ
兵士長「おい!今独りでに汁が飛んだぞ!」
現王「賑やかだな・・・実にいい」
現王「そう思わないか?大臣」
大臣「・・・・・・」ニコニコ
現王「・・・大臣?」
70 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/14(火) 10:19:33 ID:/lWDHI1A
<勇者宅>
戦士「はぁ~、食った後にあんまり動き回るもんじゃねぇな~」
賢者「う・・・ちょっと気分悪いです・・・」
神官「食べ過ぎでしょう、ゆっくり横になられてください」
勇者「どうして僕の家に集まるのさ・・・」
戦士「近いしそこそこ広いからな」
神官「言い忘れておりました、お邪魔します」
勇者「ど、どうぞ」
勇者「確かに無駄に広いよね、この家・・・」
勇者「空いてる部屋は好きに使っていいから自由にして構わないよ」
魔王「ホコリ多めの部屋がオススメえぇぇ・・・殺しやすくなるうぅぅ・・・」
戦士「参ったな、ろくにくつろげねぇかもしれねぇ」
71 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/14(火) 13:39:06 ID:/lWDHI1A
魔王「安心しろおぉぉ・・・勇者殺した次の次がお前だからあぁぁ・・・」
戦士「二番目は誰よ?」
魔王「バカ賢者あぁぁ・・・」
戦士「うひぃ~おっかねぇなあ、なー賢者」
賢者「zzz」スヤスヤ
戦士「既に寝てらっしゃる」
勇者「二人ももう寝る?」
戦士「いや、一っ風呂浴びてぇな」
神官「私も同感です」
勇者「じゃあごめんだけど、洗って入っておいて。寝床の準備してくるから」
戦士「んじゃあそうすっか、神官清掃よろしくな」
神官「・・・・・・」
戦士「冗談だからそんな目で見ないでくれ!」
72 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/14(火) 15:18:13 ID:/lWDHI1A
勇者「んしょ、こんなもんかな」
魔王「舞い上がったホコリを集めてシュートおぉぉ・・・」ヒュッ
勇者「残念」パシッ
魔王「なにいぃぃ・・・」
勇者「動かせる量増えてきたね」
勇者「この調子なら、何年かたてば重いもの持ち上げることができたりして」
勇者「そうなったら僕はぺしゃんこかな・・・」
魔王「そうだなあぁぁ・・・現世とお別れだあぁぁ・・・」
勇者「お別れしたら・・・魔王はどうするの?」
魔王「バカ賢者を潰すうぅぅ・・・」
73 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/14(火) 15:23:59 ID:/lWDHI1A
勇者「賢者の次は?」
魔王「戦士を潰すうぅぅ・・・」
勇者「戦士の次は?」
魔王「神官を潰すうぅぅ・・・」
勇者「やっぱりパーティー全員はやられちゃうか」
魔王「当然んんん・・・」
勇者「じゃあ・・・神官の次は・・・?」
魔王「・・・・・・」
魔王「・・・・・・」
勇者「まだ決まってない?」
魔王「・・・お前えぇぇ・・・」
勇者「僕?」
魔王「お前だあぁぁ・・・勇者あぁぁ・・・」
74 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/14(火) 15:34:53 ID:/lWDHI1A
勇者「僕、もうお別れしていないと思うんだけど」
魔王「いいやあぁぁ・・・潰しに行ってやるうぅぅ・・・」
勇者「・・・・・・」
勇者「・・・なんだ、そういうこと」
勇者「まぁでも、そう簡単にやられようなんて思ってないけどね!」
魔王「なんだとおぉぉ・・・抵抗するなあぁぁ・・・」
勇者「抵抗しなくちゃやられちゃうもん」
魔王「そこをなんとかあぁぁ・・・」
勇者「・・・意外と自信なかったりするのかな?」
75 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/14(火) 17:08:28 ID:/lWDHI1A
戦士「ふぅ~さっぱりーっと」
神官「飲み物はお飲みになります?」
戦士「そうだな・・・頼まれてくれるか?」
神官「ええ、遠慮なさらず」
神官「それでは飲み物の類のありかを勇者さんに・・・」
勇者「僕に何か用?」
神官「丁度よかった、飲み物はどこにしまってらっしゃいます?」
勇者「飲み物?僕が用意するけど」
神官「いえいえ、私たちはここに泊めてもらう立場ですから、これしきで勇者さんに手間をかけさせるわけには・・・」
勇者「違うよ、神官。神官はお客人なんだから頼んでくれればいいんだよ」
神官「しかしそれでは・・・」
勇者「そうだけど・・・」
戦士「・・・喉渇いたなぁ」
76 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/14(火) 19:41:53 ID:/lWDHI1A
勇者「あーもー!神官!魔法の束縛解いてってばー!」
神官「飲み物を用意したら解いて差し上げますから」カチャカチャ
戦士「ああいうのを親切の押し売りって言うのかねぇ」
戦士「つうかゴリ押しか」
勇者「戦士!解いて!」
戦士「すまんな、俺じゃ無理だ」
魔王「早く抜けないと埋まっちまうぞおぉぉ・・・」ホコリファサー
勇者「うわっぷ・・・」
戦士「何年かけるつもりだよ」
神官「はいはい、出来上がりました、召し上がれ」パッ
戦士「おう、あんがとよ」
勇者「コホッ、お風呂前でよかった・・・」
77 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/14(火) 19:57:16 ID:/lWDHI1A
魔王「くそおぉぉ・・・相変わらず風呂に結界かあぁぁ・・・」
魔王「やる気が足りないいぃぃ・・・」
戦士「そんなに覗きたい?」
魔王「なんだ戦士いぃぃ・・・解き方でも知っているのかあぁぁ・・・」
戦士「全然」
魔王「使えねええぇぇ・・・死んでろおぉぉ・・・」オオオ
戦士「散らかるからホコリは止めとけ」
戦士「大体覗いてどーすんだよ」
魔王「身体的な弱みを握りいぃぃ・・・」
魔王「それを突きまくりいぃぃ・・・悶死させるのが狙いいぃぃ・・・」
戦士「こええなそれ」
魔王「ビビり死にするだろううぅぅ・・・」
戦士「お世辞にもそんな大層なレベルとは言えないと思うが・・・」
79 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/16(木) 11:09:42 ID:Y7S58MA.
魔王「お前はもう寝るのかあぁぁ・・・」
神官「はい、慣れないことをして疲れが溜まっておりますから」
魔王「食うだけで疲れるのかあぁぁ・・・体力をつけろおぉぉ・・・」
神官「いえいえ、あなたのおっしゃるようのは肉体的な疲れですが」
神官「今私が感じているのは精神的な疲れです」
神官「やはり公的な場、それも一国の王の面前ともなると、粗相を犯さぬようにとプレッシャーを感じてしまいます」
魔王「そうかあぁぁ・・・私も生きていたときはあぁぁ・・・プレッシャーを与えていたのかあぁぁ・・・」
神官「私の様な心の弱い者だと、恐らく感じていたことでしょう」
魔王「今の私からはどうだあぁぁ・・・」
神官「微塵も感じません」
魔王「おいいぃぃ・・・感じろおぉぉ・・・」
神官「無理難題を押し付けなさいますね・・・」
80 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/16(木) 11:25:38 ID:Y7S58MA.
勇者「結局一部屋しか使わないんだね」
戦士「懐かしくていいじゃねぇか」
神官「賢者を運んでもらえて助かりました」
賢者「zzz」スヤスヤ
戦士「いいのいいの、こいつデカイのついてる割に軽いし」
神官「・・・・・・」
戦士「その目は止めろってば・・・」
戦士「はぁ~あ、くたびれた。寝るか」
戦士「神官、明日はお前どうする?」
神官「・・・戦士さんが帰るならば転移魔法でお送りします」
戦士「俺次第ってことか、世話になるな。んじゃあおやすみ」
神官「おやすみなさいませ」
勇者「じゃあ僕らも・・・って魔王は寝ないんだっけ」
魔王「今四人同時に殺す方法を考えているからあぁぁ・・・話しかけるなあぁぁ・・・」
勇者「はいはい、じゃあおやすみ、魔王」
81 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/16(木) 12:52:56 ID:Y7S58MA.
~早朝~
賢者「さっ!最悪ですよっ!この悪霊っ!///」
魔王「気を使ったのが裏目に出たなあぁぁ・・・バカ賢者あぁぁ・・・」
賢者「そ、それは・・・ねてらっしゃる勇者さん起こすのは気が引けて・・・」
賢者「じゃなくて!悪霊が出ていけばいい話じゃないですかぁ!///」
魔王「むやみに朝風呂するやつが悪いいぃぃ・・・」
賢者「汗くさいのが我慢できなかったんですよ!いいからでてけ!」
魔王「敬語が消えたあぁぁ・・・バカ賢者必死いぃぃ・・・」
魔王「悶死しろおぉぉ・・・見届けてやるうぅぅ・・・」
賢者「でてけ!でてけ!でてけー!」
82 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/16(木) 13:09:49 ID:Y7S58MA.
戦士「ねむ・・・賢者の悲鳴にたたき起こされちまった・・・」
戦士「たまったもんじゃねぇな・・・ふあぁ」ウトウト
賢者「少しは同情してくれてもいいんじゃないんですか!?」
神官「先日聞いた話ではやましい考えは無いようでしたし、悲観することはありませんよ、賢者さん」
賢者「もっといい励まし方があるじゃないですかぁ・・・神官さん・・・」
神官「?」
勇者「・・・ごめんね?僕が早起きだったら大丈夫だったのに・・・」
賢者「勇者さんは悪くありません!悪いのはそこの悪霊ですから!」
魔王「不注意なバカ賢者に責任転嫁されたあぁぁ・・・」
賢者「バカを付けるのはやめてくださいよ!後あなたのせいですから!」
魔王「朝から声が大きいいぃぃ・・・近所迷惑バカ賢者あぁぁ・・・」
賢者「悪霊め!いつか絶対消してやる!」
戦士「人が変わってきてるぞ賢者・・・」
83 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/16(木) 14:00:45 ID:Y7S58MA.
賢者「もう帰ります!これ以上何かされたら敵いませんから!」
賢者「決して勇者さんのせいじゃないですからね!悪霊のせいなんです!」
勇者「ううん・・・なんというか、ごめんね?」
賢者「そんな、勇者さんが謝ることはないですよ!」
賢者「むしろ悪霊謝れ!私と勇者さんに謝れ!」
魔王「お前が死んだら土下座でもなんでもしてやるうぅぅ・・・」
賢者「この・・・いつかずぇったい消してやりますから!」バタン!
タタタ
戦士「嵐のように去って行ったな」
魔王「返り討ちにしてやらねばあぁぁ・・・ホコリ集めの練習うぅぅ・・・」
勇者「次賢者が僕の家に来たらぐちゃぐちゃにされそう・・・」
85 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 01:52:54 ID:LWqVH/4U
戦士「なんつーか賢者は見てて飽きないよなぁ・・・」
神官「それはどういうことなのでしょうか?」
戦士「いじられキャラというか・・・なんというか・・・な?だからその目は止めろ」
戦士「はぁ・・・そんじゃ俺達も退散するかね、やることあるし」
勇者「やることって?手伝えるなら手伝うけど」
戦士「心配すんな、ただのお使いだ、世話になったな」
神官「お世話になりました、勇者さん」
勇者「ううん、こちらこそ。いつでも来てよ」
神官「また機会があれば・・・ぜひ」
戦士「魔王にやられるんじゃねーぞー」
勇者「あはは、大丈夫だってばぁ」
戦士「そうかそうか、勇者なら大丈夫だよな。んじゃあそういうことで」
神官「~~~」ブツブツ
バシューン
86 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 02:11:48 ID:LWqVH/4U
勇者「また一人になっちゃったな・・・」ボソッ
魔王「くそおぉぉ・・・一人も殺せず仕舞いいぃぃ・・・バカ賢者はいけると思ったのにいぃぃ・・・」
勇者「そっか、魔王がいるんだよね」
魔王「なんだあぁぁ・・・私に何用だあぁぁ・・・」
勇者「ううん、何でもないよ」
魔王「なんだそりゃあぁぁ・・・」
勇者「・・・・・・」
勇者「・・・あのさ、魔王」
魔王「今度はなんだあぁぁ・・・」
勇者「これからもよろしくね?」
魔王「・・・お前が殺されるまでなあぁぁ・・・」
87 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/08/17(金) 02:15:13 ID:LWqVH/4U
勇者「でも、魔王に僕が殺せるかな?」
魔王「・・・・・・」
勇者「んふふ~♪」ニコニコ
魔王「・・・・・・」
魔王「無念じゃあ・・・」
勇者「・・・」ニコニコ
勇者「・・・やっぱ自信なさ気?」
~END~
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