1 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 21:28:19 ID:KuWVoI5g
花子「工事の人達が話しているのをきいてしまいました」
花子「……」
花子「仮に学校がなくなったら、トイレがなくなったら」
花子「私は何処へ行くのでしょうか」
花子「考えていても仕方ありませんが」
3 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 21:31:46 ID:e8ByItbc
男「TOTOTOトイレーっと…」
男「あれ? この階は女子トイレだけか」
男「まぁ廃校だから気にする必要ないんだけど」
花子「人が来ましたどうしましょう」
花子「とりあえず静かに三番目の個室に隠れましょう」
4 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 21:36:00 ID:bNiSJrak
男「…寂しくなるな」オシッコダシダシ
男「母校が無くなるってこんな気持ちなんだな」
花子「(この学校出身の人でしょうか?)」
花子「(私以外に悲しい気持ちを持ってくれる人がいるんですね)」
花子「(少し、嬉しい…かな)」
5 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 21:40:59 ID:5xs1ae2o
男「あおーげーばぁーとおーとしぃーーわがーしのーおんー!!!」
花子「!?」ビクッガタッ
男「!?」
男「誰だ!」
男「個室が一つだけ閉まってる…」
男「ここ、女子トイレ、だよな…」
花子「」ガタガタブルブル
男「開けるか…」ゴクリ
男「ええいままよ!!」ドアヒラキ!
6 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 21:45:47 ID:guXE3Bcg
花子「いやぁっ!」
男「!?」ビクッ
花子「わ、私食べてもおいしくないですよ」
男「い、いや。食べないけど…」
花子「えっ」
男「えっ」
花子「食べないんですか?」
男「うん」
花子「怖がって損しました」
男「はぁ」
7 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 21:50:48 ID:GVZZcbF6
男「(ずいぶん古風な子だな。おかっぱ頭なんて生で初めて見た。歳は小学生ぐらいか)」
花子「あの」
男「えっ? あぁ、ごめん何?」
花子「工事の人ですよね。服的に」
男「うん。そうだけど…そういえば君、お父さんとお母さんは? なんでこんな所にいるの?」
花子「そんなにたくさん聞かれると困ります」
男「いや2つだけだけど」
8 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 21:54:35 ID:IkWTqwHE
花子「親はいません」
男「ん? 迷子って事かな?」
花子「違います。小さいからって馬鹿にしないで下さい」
男「あ、なんかごめん」
花子「わかればいいんです」フンス
男「とりあえずここ危ないから出よっか」
花子「ふざけないでください呪いますよ」
男「なにそれこわい」
9 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 21:59:12 ID:AKoA22KA
花子「私ここに住んでるんです」
男「えっ…家ないってこと?」
花子「いやだから此処が家ですってば」
男「いやいや、トイレじゃん」
花子「トイレを馬鹿にするんですかそうですか」プイ
男「え…あ、ごめん。つまり君はトイレに住んでると。トイレが家だと」
花子「」ツーン
11 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 22:02:36 ID:NqhUBhkQ
花子「そういえば」
花子「ここ、取り壊しになるそうですね」
男「あぁ、うん。だから早く逃げないと危ないよ」
花子「はぁ」
男「なにその馬鹿を見るような目」
花子「馬鹿を見るような、じゃなくて馬鹿を見る目です」
12 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 22:06:25 ID:AKoA22KA
花子「そういえば」
花子「私幽霊なんですけど」
男「うん」
花子「何か質問ないんですか?」
男「うーん…」
花子「意外と反応薄いですね。少し傷つきます」
男「だって俺も幽霊だし」
花子「えっ」
13 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 22:11:02 ID:rYSYqEm.
男「外見てごらん」
男「クレーン車が赤いカーペットの上で倒れてる」
男「あれが俺の身体だったもの…って聞いてる?」
花子「幽霊コワイ幽霊コワイ」ガクガク
男「……」
男「おい」ポン
花子「いやぁああぁぁあぁあ!!! 呪われるうぅぅううぅ!!」
14 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 22:15:34 ID:GsrVucdU
花子「取り乱してすみません」コホン
男「落ち着くの早いんだな」
花子「フィールド適応能力で精神力が10%アップしてます」
男「どっかで聞いたような」
花子「ところで」
男「ん?」
花子「あなたは成仏しないんですか?」
15 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 22:18:45 ID:RT4I1pcM
男「……」
花子「何か未練でも?」
男「あぁ、そうだな」
花子「手伝える事なら協力しますけど」
男「いや、トイレ行きたかっただけなんだけどね」
花子「私の期待を返して下さい」
男「人の未練にwktkとかひどい」
16 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 22:21:49 ID:ZKYghTzo
花子「あれ、さっきトイレ済ましてましたよね」
男「いや、物音したから止まった。残尿感がすごい」
花子「私のせいと言いたいんですかそうですか」
男「うん」
花子「正直な方ですね」
男「あっ、出そう」
17 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 22:25:27 ID:uoJ02MqE
男「んじゃそろそろ行くわ」
花子「おまえ、消えるのか?」
男「おい」
花子「一回言ってみたかったんです」
男「どこでそんな知識得てくるんだよ」
花子「用具入れの中は私のプライベートスペースになっています」
男「まじで」
花子「嘘です」
18 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 22:28:36 ID:cG1s5Jjs
花子「それじゃあさよなら」
男「それだけ?」
花子「これ以上何をのぞむんですか」
男「うーん…まぁいいか」
花子「早く逝ってください」
男「んじゃあ、バイバイ」ジョロォォォ
花子「さよなら」
19 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 22:32:20 ID:RT4I1pcM
花子「逝きましたか」
花子「私も成仏したいです」
花子「未練…」
花子「これを無くさないと」
花子「氷菓を全部見ないと」
花子「秋ぐらいまで工事が延びればいいんですけど」
20 :以下、名無しが深夜にお送りします:2012/07/25(水) 22:35:12 ID:nt/hC/K2
花子「ネットサーフィンでもしましょう」
花子「ん?」
花子「氷菓ねたばれ…?」
花子「ねたばれ、ってなんでしょう」
花子「なんかネバネバしてそうです」
花子「どれどれ」タップ
花子「えっ」
花子「」ジョウブツー
おわり
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